第156回  03年5月16日  国立大学法人法案と他関連法案について
文部科学

(民主党修正案の趣旨説明)

○古屋委員長

 これより会議を開きます。

 内閣提出、国立大学法人法案、独立行政法人国立高等専門学校機構法案、独立行政法人大学評価・学位授与機構法案、独立行政法人国立大学財務・経営センター法案、独立行政法人メディア教育開発センター法案及び国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、国立大学法人法案に対し、牧野聖修君外三名から修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。藤村修君。

 

○藤村委員

  おはようございます。民主党の藤村修でございます。

 私は、民主党・無所属クラブ提出の国立大学法人法案修正案について、提案理由及び内容の概要を説明させていただきます。

 政府が提出した国立大学法人法案等は、国立大学にとって、まさに百年に一度の大改革を行おうとする極めて重要、重大な法案でございます。提案理由では、「自律的な環境のもとで国立大学をより活性化し、すぐれた教育や特色ある研究に積極的に取り組む個性豊かな魅力ある国立大学を育てる」とうたっております。しかし、法案内容をつぶさに検討するにつれ、その内容は、提案の趣旨を具現したものであるどころか、これまで国立大学に対して行われてきた以上に国の関与を強め、各大学独自の主体的な発展を阻害し、ひいては我が国の高等教育の将来に資するものとは到底考えられない、改革に逆行する法案であると言わざるを得ません。

 私たちは、現在、国の組織の一部と位置づけられている国立大学を、国の組織から切り離して各大学一つ一つに法人格を与えるという基本的スキームは評価する立場であります。ただし、具体的な法人化の手法については、政府案のそれとは異なる考えを持ち、多くの関係者の御意見も聴取しながら、修正案の提出に至ったものでございます。

 以下、政府提出法案の問題点を指摘するとともに、民主党・無所属クラブ提出の国立大学法人法案修正案について、その内容を御説明いたします。 まず初めに、法案の目的を定めた第一条について申し上げます。

 政府案では、「我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図るため、」国立大学法人等について定めるものとしております。しかし、「均衡ある発展」とは、今までどおりの横並びの発展としか言えない消極的表現であり、各大学法人が主体的な努力による発展を期待することにこそ、今回の改革のコンセプトを置くべきであると考えます。民主党修正案においては、この点につき、法文において「自立的な発展を図るため、」として、法案全体の性格を明らかにすべきとしています。

 次に、第三十条関係、中期目標の作成に係る部分について申し上げます。

 政府案では、六年間において国立大学法人等が達成すべき業務運営に関する目標について、これを文部科学大臣が定めるものとしております。繰り返しになりますが、国の組織から切り離して、各大学の主体的、自立的な発展を期待することにこそ改革のコンセプトを置くべきであり、さらに、おのおのの大学が目指すべき将来の姿を最も的確かつ意欲を持って策定できるのは各大学法人自身にほかならないことを考えれば、文部科学大臣が財務大臣と協議の上で目標を定めるなどとする根拠は極めて薄いものと考えられます。民主党法案では、中期目標作成主体を国立大学法人等に移すとともに、文部科学大臣に対しては届け出で足りるものと修正しております。

 次に、国立大学法人等の評価について申し上げます。

 評価のあり方については、今回の改革において最も重要かつ困難な課題を含んでいるのは論をまたないところでございます。我々は、評価が、文部科学省内の国立大学法人評価委員会及び独立行政法人の大学評価・学位授与機構の手で行われる点に強い問題意識を持っています。これまでの委員会審議等で、評価委員会の構成、中期目標との関係、運営交付金の算定に評価結果はどう反映されるか等々、たび重ねて触れてまいりましたが、今に至るまで、それらについて納得のいく答弁は得られておりません。

 我々は、極めて困難な作業が予想されるからこそ、適正な評価を行うためには、有識者の知見はもとより、大学関係者、学生、学会、経済界、各地域あるいは国際的観点など、さまざまな立場からの多元的な視点が導入されるべきだと考えます。修正案においては、この点につき、評価委員会が大学評価・学位授与機構以外の機関にも必要な調査を委託できることとし、評価委員会の会議録は公表するものとし、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会による国立大学法人の評価を遮断し、さらに、国は、第三者評価の多元性確保のために、学校教育法に規定する認証評価機関に対して必要な資金の確保を行うものとしております。

 以上述べた主要事項のほかに、民主党修正案においては、学長や役員の任命、経営協議会と教育研究評議会の構成や審議事項、国立大学法人が行う業務の範囲等々について、政府案よりもはるかに各大学の自主性を尊重し、おのおのの創意と工夫を十分に生かしていただくための内容を盛り込んだものとしております。

 委員各位におかれましては、今回の国立大学改革が将来の我が国高等教育の姿を描く上で極めて重要であることにかんがみ、何とぞ本修正案に御賛同くださいますようお願い申し上げます。

 以上、終わります。

(拍手)

 

◆参考資料:国立大学法人法案修正案要綱

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第一 目的

「学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図るため」を「学術研究の水準の向上と自立的な発展を図るため」に改めるものとすること。(第一条関係)

 

第二 国立大学法人評価委員会

1.評価委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、大学の教育研究及び運営の評価を適確に実施することができる独立行政法人その他の法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)又は学識経験を有する者に対し、必要な調査を委託することができるものとすること。(第九条第三項関係)

2.評価委員会の委員は、大学の教育研究及び運営に関し高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、文部科学大臣が任命するものとすること。(第九条第四項関係)

3.評価委員会は、会議の議事録を作成し、これを公表しなければならないものとすること。(第九条第五項関係)

 

第三 役員

1.各国立大学法人について定められる理事の員数を廃止し、各国立大学法人は十名以内の理事を置くことができるものとすること。(第十条第二項関係)

2.学長選考会議の委員の構成について、経営協議会側委員と教育研究評議会側委員を同数とする要件を廃止するものとすること。(第十二条第二項関係)

3.学長は学長選考会議に参加できないものとすること。(第十二条第三項関係)

4.学長は、学長選考会議の委員の名簿を作成し、これを公表するものとすること。(第十二条第六項関係)

5.学長の選考は、学部、研究科、大学附置の研究所その他の教育研究上の重要な組織の職員のうち専ら教育又は研究に従事する者の推薦を受けた者の中から行うものとすること。(第十二条第九項関係)

6.文部科学大臣が監事を任命にするに当たっては、学部、研究科、大学附置の研究所その他の教育研究上の重要な組織の長の意見を聴かなければならないものとすること。(第十二条第十項関係)

 

第四 経営協議会

1.経営協議会の委員の構成について、学外委員を二分の一以上とする要件を廃止するものとすること。(第二十条第三項関係)

2.学長は、経営協議会の委員の名簿を作成し、これを公表するものとすること。(第二十条第六項関係)

 

第五 教育研究評議会

1.教育研究評議会の審議事項に、次の事項を追加するものとすること。(第二十一条第三項関係)

(1)予算の作成及び執行並びに決算に関する事項

2.当該国立大学、学部、学科その他の重要な組織の設置又は廃止に関する事項

(2)学長は、教育研究評議会の評議員の名簿を作成し、これを公表するものとすること。(第二十一条第六項関係)

 

第六 業務の範囲等

1.国立大学法人は、当該国立大学における技術に関する研究の成果の活用を促進する事業のほか、国立大学法人が行うこととされる業務(大学の設置及び運営を除く。)に関する事業を実施する者に出資できるものとすること。(第二十二条第一項第六号関係)

2.授業料その他の費用に関しては、文部科学省令で定めるところにより、国立大学法人が定めるものとすること。(第二十二条第四項関係)

 

第七 大学共同利用機関法人

大学共同利用機関法人に関しては、国立大学法人と同様の修正を行うものとすること。(第二章第二節関係)

 

第八 中期目標及び中期計画等

1.中期目標の作成主体を文部科学大臣から国立大学法人等に修正するものとし、国立大学法人等は当該中期目標を文部科学大臣に届け出るものとすること。(第三十条第一項及び第三項関係)

2.中期計画に係る文部科学大臣の認可を届出に修正するものとすること。(第三十一条第一項及び第三項から第五項まで関係)

3.国立大学法人等は、毎年度、中期計画の実施状況を公表するものとすること。(第三十一条第三項関係)

4.中期目標及び中期計画に関する修正に伴い、文部科学大臣の財務大臣との協議を廃止するものとすること。(第三十六条第二号及び第三号関係)

 

第九 情報公開(再掲)

1.評価委員会の会議の議事録は、これを公表しなければならないものとすること。

2.学長は、学長選考会議の委員、経営協議会の委員及び教育研究評議会の評議員並びに中期計画の実施状況を公表するものとすること。

3.大学共同利用機関法人の機構長は、国立大学法人と同様の情報を公表するものとすること。

 

第十 政策評価・独立行政法人評価委員会(総務省)の評価等に関する規定の適用除外 ]

政策評価・独立行政法人評価委員会が行うこととされる、(1)国立大学法人評価委員会による国立大学法人等の評価結果に対する評価及びこれに関する意見陳述並びに(2)中期目標の期間終了時における国立大学法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する文部科学大臣への勧告に関する規定は、国立大学法人等には適用しないよう独立行政法人通則法の準用規定を修正するものとすること。(第三十五条(独立行政法人通則法第三十二条第三項及び第五項並びに第三十五条第三項の準用に係る部分)関係)

 

第十一 第三者評価の多元性確保のための資金の確保等

国は、国立大学法人の教育研究水準の向上を図るため、学校教育法六十九条の三第二項に規定する認証評価機関による国立大学法人に対する評価が円滑に行われるよう必要な資金の確保その他の援助に努めるものとすること。(第三十七条関係) 第十二 その他 その他所要の規定の整備を行うものとすること。

 

 

 

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