第161回  04年11月02日  『メキシコとの条約ならびに在外邦人政策の件』
外務委員会

 

○赤松委員長 

  これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤村修君。

○藤村委員

  おはようございます。民主党の藤村修でございます。
冒頭、イラクでお亡くなりになりました香田証生さんの御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。


さて、ただいま議題になりました承認を求めるの件、長い名前ですので、日本とメキシコのいわゆるEPAというふうに言わせていただきますが、この締結に関しての承認を求めるの件、質問をさせていただきたいと存じます。


私、外務委員会での質問、実は初めてでございまして、条約等の中身というのは大変膨大なもので、本当にこれを全部読めと言われても、多分、大臣、副大臣ともどもにもちょっと読み切れないとは思うんですが、国会で議論をするというのは、余り中身の重箱の隅をつつくようなことではなしに、やはり基本的な話ということになろうと思っておりますので、そういう質疑にさせていただきたいと思います。


それで、そもそも論でございますが、条約等の締結の手順あるいは手続ということについて、きょうまで長年ずっとやってこられたやり方というのが当然あるものと思いますし、しかし今ここで、特にこの外交という問題が、本当に日本の国益を大きく左右し、あるいは日本の国内の経済の構造にも大きく影響をする、そういう新たな私は展開をしている日本に今あると思います。


そういう意味で、一度ここで、海外との外交、特に条約の締結などについては、少しそのやり方を一遍見直し、考え直してみたらどうか。こんな基本的な考え方から、そもそも論でございますが、外務省が、私がお聞きしたところ、条約というのは過去ずっと基本的に行政府限りで署名まで至るという御認識をお持ちなのですが、そのままで本当にいいのかどうかということについて、少し議論をさせていただきたいと思います。


今回の日本とメキシコのいわゆるEPA協定については、ちょっとさかのぼっていいますと、平成十三年六月、今から三年前の六月に、東京における日墨首脳会談、日本とメキシコの首脳会談で、小泉首相そしてメキシコのフォックス大統領が両国経済関係の強化の方策に関して話し合って、自由貿易協定の可能性も含め包括的に検討することを目的として、日墨、日本とメキシコの産学官から成る共同研究会の設置を決めた。そして、その共同研究会が七回にわたって会合があった。そこからのスタートであると思います、三年前の六月。


それを第一期、第一段階と申しますと、その次に、この七回の共同研究の報告書の提言を受けて、平成十四年十月、ですから二年前のちょうどこの時期に、日墨首脳会談において、二国間の経済連携強化に関する協定締結のための交渉を開始することで意見が一致した。同年十一月、二年前の十一月から両国間で交渉がスタートをした。


そして、結果として、協定案文について最終合意、これはことしの三月に、テレビ電話会議などもあったようでございますが、ほぼ合意をし、先般、今からいうと先々月でありますが、ことしの九月十七日に小泉首相がメキシコに訪問をして署名が行われた。ここまでが第二段階ではないか。二つの時期に分かれてこの協定が署名にまで至ったわけであります。


そこで、私は、結論的に申しますと、二年前の十一月から交渉に入ったというあたりで、本来、内閣として、これはそれなりの意思決定といいますか、いわゆる閣議決定が行われていたのかなというふうに聞きましたら、どうもそうではなさそうで、きょうまでのやり方からいえば、条約などは基本的に行政府限りで署名まではいく、こういうことを外務省の方からは聞いておりますので、では、そうしていい法的根拠というのは一体どういうことか。これはやや手続的なことでございますので大臣でなくて結構なんですが、つまり、外務省がおっしゃる、条約は基本的に行政府限りで署名まで至るという考え方の法的根拠を示していただきたいと思います。

○長嶺政府参考人

  法的な根拠についてのお尋ねでございますので、私の方から答弁させていただきたいと思います。
委員御案内のように、憲法第七十三条、これは内閣の職務を規定してございますが、その二号におきまして、内閣が行う事務として外交関係の処理が規定されております。また、同条第三号におきまして、条約の締結を内閣が行う事務として規定されております。したがいまして、外国との間でどのような交渉を行い、いかなる内容の条約を締結することとすべきか、これは行政府が決定する事項ということになっております。


ちなみに、憲法第七十三条三号ただし書きに言う国会の承認、これは、このような行政府が決定した内容の条約を締結すること、すなわち当該条約に拘束されることについての日本国としての意思を最終的に確定することについて、国会の御承認を求めるものでございます。
したがいまして、本協定のような条約につきまして、その締結に先立って署名を行政府として行うことは、ただいま申し述べました内閣の事務の一環というふうに位置づけられております。

○藤村委員

  憲法七十三条から引いてこられたわけです。憲法七十三条は、主語は「内閣は、」であります。ですから、「内閣は、」という主語のもとに外交関係を処理するわけで、まさに内閣一体として処理をすると。私は、外務省はということではここではないし、今答弁は外務省ということは言わずに行政府はというふうにおっしゃったので、つまり「内閣は、」ということだと思います。


冒頭申しましたように、外交関係において大きな案件、いろいろな事務的な協定等はそれはやや外交関係の処理ということで外務省、そして事後の承認は国会ということ、締結の手前の承認は国会、こういうことだと思うんですが、非常に大きく国内の産業あるいは経済の構造全体に影響するようなこういう案件については、やはり内閣が、協定を結ぼうかどうしようか、まさに交渉に入るというその段階で、私は閣議できちっと内閣としての意思を決定される。当然だと思っていたんですが、どうもそうではなかったということで、今回、事実関係だけもう一点お伺いしたいのは、このメキシコとのEPAの署名まで、先般の九月の署名に至るまでに、閣議決定というのはどのようになされていたのかお知らせをください。

○長嶺政府参考人

  お答え申し上げます。
この日本とメキシコとの経済連携協定の今日までの流れにつきましては、先ほど委員の方からも御紹介がありましたので割愛させていただきますけれども、この約一年半にわたる日本とメキシコ両国との間の精力的な交渉が行われまして、本年三月に大筋について合意を形成したということでございます。その後、双方による条文の確定作業等を経まして、去る九月十七日に本協定の署名に関する閣議決定を行いまして、同日メキシコ市において小泉総理大臣と先方フォックス大統領との間で署名が行われた次第でございます。

○藤村委員

  つまり、閣議、内閣がきちっとした手続をとるというのは、九月、多分十七日だったですかね。つまり、署名をするその日です。首相は向こうへもう行っていたんでしょうが、署名をするその日に内閣はいわゆる閣議決定をすると。


だから、国のまさに意思、意図というのは、内閣での手続を経ないで、外務省を中心に、今回はもちろん経産省であったり農水省であったり財務省であったり、それぞれ事務方で寄り合って、チームを組んでずっと、まさにおぜん立てをずっとしてきて、最後、首相が署名をするときにやっと内閣はこれに署名をしてよろしいという閣議決定がなされる。


それからもう一回、今回は、十月十二日に、国会にこれを提出するということで、これはまた、まさに閣議決定をされているわけで、一般的に過去すべてこういうことで多分行われてきたのだと思います。


つまり、我々国会で審議する前提としては、署名のときの閣議決定とそれから案件を国会に提出するときの閣議決定の二回ですね。ということは、その閣議の決定というのは、単に事務的な決定にすぎないのではないか。でも、内閣が、先ほどの憲法七十三条のとおりであります、内閣がという主語のもとに、まさに外交の交渉が行われ、あるいはまさに協定に署名をするところまで運んでいかれる。


となれば、私は、これほどの大きな問題について、やはり内閣の意思というのが相当早い段階でまさに整理されていなければならないのではないか、そのように考えているわけでございまして、その点について、今までの前提をもって、町村大臣にその件についての御感想をまずお伺いしたいと思います。

○町村国務大臣

  委員御指摘のように、この経済連携協定というのは、国の内外に大変大きな影響を与える重要な政策課題であると、委員の御指摘のとおりの認識で私どももおります。それだけ重要なんだから、もっと早い段階で閣議決定あるいは閣議了解というものが必要ではなかろうかという御指摘、趣旨において私どもも全く変わっておりません。


ただ、その手続としての閣議決定という形がいいのか、あるいは、現実に私どもが今やっておりますのは、経済連携促進関係閣僚会議というものを随時開いておりまして、そこで関係閣僚が集まって議論をし、方針を了解する。総理が早い段階、二年前あるいは三年前に先方大統領との首脳会議でそういう発言をするという場合には、当然のこととして、関係者が集まり関係閣僚が集まって、そういう総理大臣の発言が、本当にそういう方向に進んでいいかどうかということについて議論をした上で、前進、あるところでまた前へ進んでいくという手順を踏んでいるわけでございます。


もちろん、事務方の関係省庁連絡会議というものも設置され、官邸を含めて、そういう意味では関係する省庁が緊密に協議しながら、これは政府一体で取り組んでいる作業であるというふうに御理解をいただければありがたい、かように考えております。

○藤村委員

  趣旨は理解していただいたというふうに思います。ですから、きょうまでそうしてきたということと、それから今後どうするかということ。私は、むしろ今後の話を今申し上げているわけであります。


例えば、この件、国会で今議題となりました。先週、町村大臣は本会議において趣旨説明をされた。条約案件が本会議で単独で趣旨説明、質疑を行うというケースは割に珍しいんですね。


先の今年の通常国会にも条約案件はありましたが、これは国民保護法制七法案と一緒に行った幾つかの条約関係、関連するものという形で、単独ではありませんでした。単独でというので調べてみますと、第百五十四回国会の二年前、五月、平成十四年に、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について承認を求めるの件、いわゆる京都議定書の例の大きな話ですね。


その前はといいますと、これはもう平成十二年、さらに二年前、十月に、第百五十回国会の日米の地位協定に関する特措法的協定ということで、これは単独ですよね。だから、国会の本会議に単独で条約案件がかかるというのは割に珍しいケースであります。今回そのケースでございます。


ということは、それなりにやはり相当日本国にとって、そして日本の国内経済構造にとって大きな影響を与えるからこそ、今回、本会議においても趣旨説明がされた上でのこの委員会質疑になったものと思います。


そういう意味で、やはり案件を分けて、条約や協定、いろいろ本当にたくさんあると思います。前国会、ことしの通常会でも二十数本ありました。全部が全部そうだということでなしに、やはりその中で、本当にこれは内閣にとってというよりは国にとって大変な大きな影響のある、まさに国益に関する問題であったり、あるいは、日本の、今回の場合は特に農水関係、農産品の問題がございましたし、大変大きな影響を与える。もちろん賛否いろいろな声がある。


そういう中でやるものは、署名をする最終日に内閣でこれを署名して、いいと決めるのではなしに、私先ほど、冒頭申しましたように、二段階の時間があったと思うんですね。まず、研究会をつくって一年ぐらいやりました。そこから提言の来たもので、ではいよいよこれで交渉に入ろうかというそのあたりで、こういうケースは内閣としてやはり一致して決定すべきではなかったかな。


といいますのも、先日、本会議においては、私ども、首藤委員が質問をしてそういう関係のことをちょっと聞きましたら、これは内閣官房長官細田博之君からのお答えの中には、今大臣お答えになった経済連携促進関係閣僚会議や関係省庁連絡会議を設置するなど関係するすべての官庁が緊密に連携しつつ政府一体となって積極的に取り組んできたという答弁でしたから、もうそのとおりなんですが、いやしかし、やはり閣議でばしっと決めるということとは大分意味が違うと思うのですね。


これは新聞報道ではございますが、例えば、ことし三月ごろの朝日新聞報道では、経産省であったり外務省であったり農水省であったり、やはりそれぞれ縦割りで考え方が進んでいくとなかなかうまくいかないので、それで首相官邸は、経済産業、農水、外務の縦割り交渉が足元を見られた要因の一つとの反省から、昨年十一月下旬、官邸ミッションというのを出したそうです。つまり、なかなか内閣でそれぞれがばらばらにいっていたら、うまくいっていなかったという一つの例を報道されております。


あるいは、経産省は交渉情報を外務省や農水省に伝えないまま最終局面の話し合いを進めたとされる、これは報道であります。などという報道がされるごとく、やはり内閣一体で、政府一体でやっていますと言いながらも、それは閣議決定みたいな非常に重いものをきちっと据えてやるやらないでは大きな違いがあるのではないかな、そのように思います。そういう意味で、今後のこととして、これは十分配慮していただけるのかどうか。


外務大臣が一元的には外交関係の長でございますが、やはり重要な外交案件、協定、条約等を結ぶ場合には、いよいよその交渉に入る段階で閣議できちっと一遍話をして了解を求める、そういうようなことをされる気持ちがないかどうか。

○町村国務大臣

  案件の性格にもよるかとは思いますけれども、特にこの経済連携協定、非常に影響が大きいだけに、今委員の御指摘されたその趣旨について、私も同感でございます。


ただ、なかなか、閣議に決定をする、了解をとる、中身がある程度詰まっていないと、そういう場に漠とした方針だけをかけるというのは、今までの慣例でいくと少々なじまないといったような感覚もあるのでありますが、しかし考えてみると、大変大きな作業を始める段階で、決定とはいかないまでも、閣議了解ぐらいあってもいいのではないかという御指摘はよくわかるところでありますので、今後のこととして考えさせていただきたいと思います。


なお、対外関係につきましては、必ず日本交渉団というものをつくりまして、多いときになると百名を超える関係省庁の方々がその席に同席をして相手側と交渉するというような形にもなるようでございます。そういう際に、私どもの団長というのは、今、藤崎という外務審議官がやっておりまして、彼が団長という形で全体を取りまとめるという形をとっておりますことは申し添えさせていただきます。

○藤村委員

  ぜひ検討いただきたいと思います。


もう一点、ですから提案は、閣議決定というのはやや儀式でございますので、実際的に今後まだ、今から韓国、タイ、フィリピン、マレーシアなどとの経済連携協定を考えていくわけですから、これは経済界の要請もあるようですが、内閣に首相を本部長とする経済連携戦略本部のような、もうそういう戦略的取り組みが必要ではないかなと思うのであります。


これについても先ほどの細田官房長官の答弁で、いや既にやっているんですよというふうにおっしゃるのかもしれませんが、やはり今後の話としては、これは町村大臣、先週の所信表明的あいさつの中で「経済連携協定の締結を戦略的に進めてまいります。」という表明もされておりますので、ぜひともやはり、今実際的にはそういうチームでやっているということでございますから、まさにそのチームを、本当に首相を本部長とした組織にして、まさにオーソライズしてやったらどうか、こんな提案でございますけれども、いかがでしょうか。

○町村国務大臣

  正確には私承知をしておりませんが、今内閣に何々本部、何々対策何とか会というのが何か物すごい数になっているようでございまして、いささかこれは、もう何でも官邸中心のということで、少々、内閣に置く本部が多過ぎるのではあるまいか。


何か内閣の方でも数本部を解散するということを、先般閣議で、たしか官房長官から報告があり、了解したところでございまして、官邸主導はいいのでありますけれども、余りそれをやりますと、今度は各省の責任といいましょうか、外務省の責任というものがぼやけてしまうという面もございまして、私は、何でもかんでも官邸に本部をつくるという方式がいいんだろうかと、個人的にはちょっとそんな思いもしております。


そういう意味で、これはしかし、事の重大性あるいは関係省庁の広がりといったようなこと、いろいろな面からやはり判断をしなきゃいけないと思いますが、今直ちにその本部が必要かなと言われると、一応、今の関係閣僚会議という方式で私はそれなりの機能は果たしているのではないか、こう思っておりますが、藤村委員のお話でございますから、こうしたことも含めて今後よく考えていきたいと思っております。

○藤村委員

  一般的に、何でもかんでも本部じゃなしに、これはなかなか大変な、日本のまさに戦略的な取り組みが必要な案件であり、日本とメキシコという一つの案件ではなしに、今からまだ韓国、タイ、フィリピン、マレーシアなど、割に、特にアジア地域で重要なことが重なってくるわけですから、私は、ある時期、本当に期限を決めて対策本部的な戦略本部をやはり立ち上げて、それでまさにチームになってやっていく方が、さっきの新聞報道ではありませんが、各省それぞれの利害がある中でやはり調整が難しいわけですから、そこはやはり首相、内閣を割に重要視してやられたらどうかなという提案でございました。


話はちょっと、メキシコに若干関係がありますが、別な観点から質問をしたいと思います。
メキシコも移民の国の一つでありますが、先週、海外の日系人による大会が開かれました。そして、先週の十月二十八日にその大会において決議が行われて、四項目の要望事項が採択されたと聞いています。内容は、第一にブラジル移住百年祭についてということ、第二に海外日系人訪日団受け入れ事業についてということ、第三に日本語教育について、第四に在外被爆者への支援についてということが決められたようであります。


南米の各国、これは南米だけではありません、北米もそうですし、その他の国も一部ありますが、多分十八カ国ぐらいの、海外に移民をして、そしてそれぞれ頑張っている人たちが、一年に一回日本に集まってこの大会を開かれて、日本、母国との連携を深める、そういう大会でございます。


私、この中で特に外務省の方からの考え方をお伺いしたいのが、ブラジル移住百年祭、これは今から四年後の二〇〇八年であります。ブラジルに移民が出たのが一九〇八年、笠戸丸移民。それからもう百年がたつ四年後に向けて、今海外日系の人たちも、このブラジル移民の百年祭というのは大変重要だという意識を持っておられるので、このことについての見解と、それからもう一つ、毎年のように、海外に移住した人たちが、外務省も補助をして、いわゆる母国を、行ってから五十年ぐらい一回も帰ってきたことのない人をお呼びする制度があったんですが、これはことしで打ち切りになっちゃいました。このことについて、何らかの形で新たな展開が考えられないか。


この二点について、外務省のお考えを伺いたいと思います。

○逢沢副大臣

  藤村先生御指摘のように、先般、第四十五回海外日系人大会が開催をされ、先ほど先生が御指摘をされました四項目が要望事項として採択をされたということを承知いたしております。


二〇〇八年にブラジル移住百周年という大変大きな節目を迎えるわけでございまして、政府として、その節目に当たってしっかりとした取り組みをしていかなくてはならない、基本的にそのような認識を持っているところであります。


御承知のように、去る九月に小泉総理大臣が、総理としては久方ぶりということでございましたけれども、ブラジルを訪問いたしました。その際に、ルラ・ブラジル大統領との間で首脳会談を行い、両国で、この二〇〇八年のブラジル移住百周年について、両国政府としてもしっかり取り組む必要がある、また日本ブラジル交流年として祝うことが大切であるという認識について、お互いの意思が、また意見が、考えが一致をしたというふうに承知をいたしているところでございます。


したがいまして、ブラジルにおきます日系社会の方々ともよく相談をさせていただきながら、当然のことでありますけれども、ブラジル政府の協力も得ながら、さまざまな交流事業の実施に向けて積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えております。


なお、御指摘の海外日系人訪日団受け入れ事業でございますけれども、長らくこの事業を続けていたわけでございますが、委員御指摘のように、結論といたしまして、平成十六年度をもって一応終了するという決定をいたしているところであります。


では、これからどうすべきかということになるわけでありますが、実施団体でございます海外日系人協会とも協議をし、また若干実務的になりますけれどもJICA等とも協議をする必要があるというふうに承知をいたしておりますが、今後どのような形でこの事業を、あるいはまた事業の趣旨を引き継いでいったらいいか、よく検討をさせていただきたいというふうに思います。

○藤村委員

  どうぞよろしく検討のほどをお願いします。


昨年、例えばブラジルでいえば、戦後に移住した人たちが五十周年の記念の式典をやったんですね。あるいはさらに来年、これも戦後の農業関係の移住者でコチア青年移住というのを十二年間まさに日本の国策でやった、その人たちが来年やはり移民、移住五十周年を迎える。だから、二十で行けば七十になられるわけで、その間一度も日本に帰ったことのないそういう人たちをお呼びしようというのがその制度であったわけですから、まだまだ必要性がなくなったということではない、このように申し上げたいと思います。


もう一点、ブラジルにかかわりますが、町村外務大臣のこの先週のあいさつの中で「外務省は、八月の機構改革により、領事局の新設を含め、」云々。そして、「引き続き、領事サービスの向上、海外の日本人の安全確保、」等々ということに万全を期していくと。今まで領事移住部という部であったのが局に格上げしたということは、これは海外の、いわゆる邦人へのいろんな支援、あるいは邦人の安全の問題、今非常に高まっているわけですね、需要が。そういう意味では必要なことだと思います。


にもかかわらず、しかし、三年前からの一連の外務省改革の中で、非常に消極的だとは思うんですが、海外、外国の日本のいわゆる公館、大使館、総領事館など、これを七増、七つふやす、それはいいことだと思うんですね。ところが、七増だったら七減だというので、結局、何か数は同じままにするところで非常に無理があって、私、一つだけ具体的に伺いたいのは、ブラジルの一番南の州にありますリオグランデドスル州という州なんですが、そこの州都に、ポルトアレグレというところですが、ここに総領事館がずっと働いてきた。この地域は、日本のリンゴ移民、青森からのリンゴの移民だとか、あるいはブドウの移民だとか、結構日本の移民もたくさんいて、まさに領事業務というのは非常に必要である。


にもかかわらず、この総領事館を廃止するというのが今の七増七減案で出てきているようでございますので、この点について、今からの、まだ総務省とか財務省とかの根回しもあることだとは思いますが、現時点での現状だけを御報告願いたいと思います。事務方でも結構です。

○坂場政府参考人

  お答えを申し上げます。
平成十四年八月に策定されました外務省改革に関する行動計画の中で、今委員御指摘のとおり、七公館を廃止、七公館を新設する、新しい外交ニーズに対応した体制をつくっていくという方針が出たわけですけれども、ブラジルにはブラジリアにあります大使館のほか七つの総領事館がございまして、これについても現在見直しを行っているという状況でございます。

○藤村委員

  時間が参りましたが、二〇〇八年、先ほど逢沢副大臣の方から答弁いただいた移民百年がまだ四年先でございますし、まだまだブラジルというのは海外で最大の日系人社会を擁する、百五十万人ぐらいと言われております国の中のまさに邦人保護。領事局に格上げして頑張ろうというときにそこの公館をなくすというのは大変消極的な話ではないかと思いますので、ぜひこれは何らかの形で存続できるような、外務省のこれは頑張るような働きを今後お願いして、質問を終わります。
以上です。

 

 

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