○赤松委員長
これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤村修君。
○藤村委員
おはようございます。ちょっと変則な、一こまだけ午前中ということで五十分間の質問をさせていただきます。民主党の藤村修でございます。
きょうは、ただいま議題となっております法改正についてを中心に質問したいと思います。
まず冒頭、今起こっている喫緊の課題として、マラッカ海峡における日本船舶襲撃事件の件、大変困った事件だと思います。邦人二人とフィリピン人一人が拉致されていて、いまだよくわかっていないというきょうの朝の報道ではございましたが、この際、外務大臣から、現時点での被害の詳細それから政府においての対応等についての公式な見解を求めたいと存じます。
○町村国務大臣
現時点で、連れ去られた二人の日本人、それから一人のフィリピン人の行方につきましては、残念でございますけれども、これまでのところ判明しておりません。
他方、襲撃を受けたタグボートは、昨日、マレーシアの警察船の誘導によりまして、ペナン島に投錨したところであります。日本人六人を含む同タグボートの乗員の無事は、在ペナン総領事ほかが確認をいたしました。
今回の事件に際しての政府の対応についてでございますけれども、十四日の事件認知後直ちに、マレーシア、インドネシア及びシンガポールの日本国大使館、総領事館において関連情報の収集に努めるとともに、それぞれの相手国政府に対して被害者の安全確保につき協力要請をしております。また、国内におきましては、官邸、外務省、国土交通省、海上保安庁にそれぞれ対策本部等が設置され、密接に連絡をしながら対応してきております。
いずれにいたしましても、政府としては、安全かつ早期の解放に向けて、関係国等とも緊密に連携をしながら全力を尽くしてまいる所存でございます。
○藤村委員
政府においては、四つのそれぞれ部署で連携をとりながらということでございましたが、本当に、縦割りにならないように、こういういわば危機対応ということでございますので、よろしくお願いしたいということと、それから、外務省においては、お伺いする範囲では、領事局長を長とする対策本部をオペレーションルームに立ち上げということでございます。外務省における対応、そして今後の対策等についてお伺いしたいと思います。
○町村国務大臣
外務省内での対応でございますが、十四日夜、船会社から外務省への事件発生に関する第一報が寄せられたのを受けまして、先ほど申し上げましたような、三カ国の大使館、総領事館等に対しまして、関連情報の収集に努めるとともに、被害者の安全確保について協力を要請したところであります。
領事局内に連絡室をすぐつくりましたが、続いてオペレーションルームに対策本部というものを設置いたしまして、関係省庁あるいは本件の船会社と密接な連絡を保ちながら情報収集するとともに、船会社側への情報提供等をしているところでございます。
今後といたしましては、関係各国それから近藤海事という船会社と密接に連携をしながら、被害者の安全かつ早期解放のために全力を尽くしていくという方針で臨んでおります。
○藤村委員
とりあえず、お伺いしました。
今議題となっておる法案にもかかわりがあるのは、すなわち邦人保護という問題で、今回在外公館がそれぞれお働きになるんですが、私、きのうのお昼のテレビニュースでその船長さんの家族の方のコメントは、直接ではありませんが、とにかく新聞報道、テレビ報道などしか情報がなくて本当に不安ですというコメントでありました。
この際、本当に、邦人保護という観点からいえば、外務省はできるだけそういう家族の方にも細かく情報を伝えてあげる、これは会社を通してということかもしれませんが、そういう努力をする中で、ぜひ、この後問題になりますけれども、外務省の邦人保護という領事局の大きな仕事の一つなんでしょうが、一生懸命やっていただくことが、本当にきょうまで三年余りやってきた外務省改革の一つのまた成果を発揮していただく、そういうことにもなろうと思います。お二人の日本人、そして一人のフィリピン人の方の一刻も早い解放、無事帰還を祈念申し上げる次第でございます。
さて、議題となっております在外公館の位置、名称、給与関係の法律について御質問申し上げます。
まず、これはこのところ毎年のように審議されております。私どもも、党内でも慎重に時間をかけてヒアリングをしたりしながら、この法律案については一応賛成しようという方向で今検討が進められております。
言うまでもなく、外務省のさまざまな不祥事が何年か前、まだ記憶に新しいんですが、そういうことから外部の方による外務省を変える会というのが二〇〇二年三月にできて、いわゆる一般の外の人たちから非常にいろいろな意見が寄せられた。そして、その最終報告が二〇〇二年七月の二十二日に出た。その後において、外務省としては外務省改革行動計画を二〇〇二年八月二十一日に発表された。今二〇〇五年でございますので、三年ぐらい前のことからスタートしていると思います。
そして、この行動計画、平成十四年、二〇〇二年の八月で、例えば、今回の議題の中でいえば、在外の公館を廃止したりということがございました。
私、外務省については、何度もこの国会でも議論をされておりますが、先進各国と比べて非常に手薄ではないか、人の数が少ないのではないかという気がずっと前からしておりました。あるいは、その公館の数についても、アジア地域においても、日本が一番やはりアジアを重点化するにもかかわらずアメリカの方が公館が多いとか、いろいろ言われている中で、しかしこの平成十四年の時点で、今後三年間で七公館を廃止するとこの行動計画の中で決められました。やや、問題が起こったときに襟を正す、そういう意味はあるとは思いますが、ただ、ではなぜ七公館なのか、なぜ廃止なのか、こういう点がよくわからないんですね。
そこで、三年前に戻って、そのときの行動計画における、今後三年間で七公館廃止という、七という数字とか廃止というこの内容について、きちんとここで説明をいただきたいと存じます。
○逢沢副大臣
在外公館の新設、廃止のあり方について、大変重要な視点でございますが、御質問をいただきました。
今藤村先生御指摘いただきましたように、二〇〇二年八月に策定いたしました外務省改革行動計画におきまして、御指摘のとおりでございますが、在外公館の新設、廃止については、その時点に立って、今後三年間で設置時の状況の変化を受け七公館を目途に廃止をする、そして新たな外交上、領事業務上の必要が生じている箇所については公館の新設をするということを決定いたしたわけでございます。
さまざまな国際情勢、変化がございます。また、率直に申し上げて、限られた財政そして人員、それを駆使しながら外交上の成果を上げていかなくてはならない、国民の皆様の期待にこたえていかなくてはならないわけであります。そういった観点に立ちまして、この在外公館の七公館の廃止、そしてさまざまな新たな需要にこたえる必要がある、そのような判断に立った、新たな公館を新設する、七公館を新設するといったような対応をさせていただいたわけであります。
確かに、先生御指摘のように、諸外国、とりわけG8の間でどのくらい在外にそれぞれの国が公館を持っているか、あるいは、もっと申し上げれば外務公務員を確保しているかということを比較いたしますと、我が国は大変下のレベルに現在位置しておる、率直にそういう状況があるわけでございます。
国会の先生方の御理解、また広く国民の方々の支持、理解をいただきながら、世界の中の日本をよりよい状況に持っていく、また確保するための在外公館の増設あるいはまた人員の適切な確保、そういったことに引き続き努力をしてまいりたいと存じております。
○藤村委員
ですから、今の御説明では七という数字の根拠というのは何もなくて、七増七減だというお話であったと思います。七つという目標数字を掲げてしまうことに若干私は無理があったように思います。しかし、その計画に基づいて、今回、これは三年目になりますので、一応仕上げの年になるんでしょう。
今逢沢副大臣おっしゃっていたとおり、この十年だけ見ていても、外交案件というのが本当に日本の中での国政においても物すごくふえている、これは実感として多分皆さんおありだと思います。そういう案件はふえているし、いろいろなことに対処していかないといけないし、そして在外邦人などのいろいろな要請も数多くあるという中で、私は、いろいろな問題があったことで自粛し、そして日本の社会の中では行政改革という大きな流れの中でいたし方なかったという同情をしているわけであります。
ただ、今後のこととしては、今逢沢副大臣もお話があって、私もきちんと調べてみたところ、外交官の人数ということで諸外国の比較をいたしましたら、人口一万人当たりの外交官人数、こんなことはどこにも出ていなかったので、計算上、ちょっと求めてみました。日本は〇・四一人であります。アメリカ合衆国〇・七五人、ドイツ一・一九、フランス一・五九、イギリス一・二六などなどで、実は、日本がこの国々の中でも最も人口一万人当たりの外交官人数が少ないんですね。
地方議会でもよく人口の一万人当たりあるいは千人当たりでの議員数などと言われますが、これは議員の数とは違って、外交官は本当に外国に出て仕事していただかないといけない、そして外交案件はどんどんふえている、そういう中でこの数はちょっと本当にお寒い状況ではないかということで、数、やはりマンパワーという部分は今後充実していくべきだ、私はそのように考えております。
しかし、一方で、きょう議題となっているのは、例えば在勤基本手当など給与の問題でありますけれども、これは後ほどやります。こういう私の考え方、例えば、もう一つ、予算で見ても、日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスあたりの比較でいいましても、外交予算というものが必ずしも日本が充実していないなという現状もございます。
そういう意味では、日本が外交下手と時に言われるのは、こういうことからも生じている可能性はあるので、私は、これは少しきちっと国会の方でも、いろいろな行革の中で、人は減らせ、賃金はカットしろ、こういう声は声として聞きながらも、しかし必要なところに出していくという、それがやはり国政であろうと思いますので、こういう態度をぜひとも外務省が中心になって訴えていただきたいと思っております。
それで、もう一つは、この公館の話です。七公館の廃止、さっき七という数字が余り私はよくわからなかったんですが、共通して、多分こういう基準だから、その基準に照らすと七つ浮かび上がってきたということは言えるのかもしれません。この七公館廃止となった共通する主要なポイントの基準というのはどういうことでしょうか。
○逢沢副大臣
先ほども申し上げましたように、限られた財政そしてまた人員でできるだけパフォーマンスを上げていく、よりよい外交的アウトプットを確保していく、そのことに引き続き努めていかなくてはならないわけでありますが、外務省設置法の中にございますように、安全保障に関する外交、また経済外交、経済援助外交、文化交流外交、この四つの大きな柱を立て、私ども仕事をさせていただいているわけでございます。
そういった観点の中で、具体的に申し上げるといたしますと、政治、経済、文化等の諸分野における当該国と我が国との関係の緊密度、あるいはまた総領事館におきますその当該地域における緊密度は、公館を設置するか、あるいはどうであるかという一つの大きな判断のポイントでございます。第二に、当該国の国際社会における政治的、経済的重要性、第三に、当該国における在留邦人の数あるいは日本企業の進出状況、そして第四に、当該国における第三国在外公館の設置状況、第五に、当該国からの要望がどれほど強いものであるか。
五つのポイントを挙げさせていただいたわけでありますが、そういったものを総合的に勘案しながら、そして、もとより国会に対し、国民の皆様に対し、できるだけよい外交を適切に行うために、私どもとしては、在外公館は現在百八十九公館でございますが、諸外国に比べて確かに十分な数字ではございません。できるだけ数多くの設置がお認めをいただけるような努力をしてまいりましたが、今後もその努力を重ねながら、しかし生産性、効率、能率、そのことは引き続き追求をしてまいりたいと思います。藤村先生の御指導と御支援もどうぞよろしくお願い申し上げます。
○藤村委員
私は昨年、この外務委員会で、対象となっていたブラジルの一番南の州にあるポルトアレグレの総領事館廃止については御意見を申し上げたところであります。結果、今回廃止といいながらも、やはり今おっしゃった幾つかの観点を考慮したら、母艦は別に置いて、出張駐在官事務所という形で必要な領事業務などを続けるということで、一つその点はそれでよかったと思っております。
ただ、日本の国内の行革と違って、国際的に日本の外交をもっと強くしていきたいという中では、余り廃止あるいは削減、縮減というマインドだけでは本当に困るなという気がしておりますので、私も、そういう観点からは、ぜひとももう少し外務省のマンパワーのこと、それから在外公館のこと、それから、場合によっては本当にマンパワーを引き出すための予算手当てのことなども十分に考えていきたい、そう考えております。
そこで、今の予算手当ての話で、これがきょうの多分中心的課題だと思っておりますが、在外勤務の職員に対する手当の問題が、外務公務員の給与に関する法律の一部改正という形でいわば毎年のように改定が出てきております。
それで、在勤基本手当、それからその他幾つかの住居手当、配偶者手当、子女教育手当等。日本の国内で国家公務員として外務省なり国内出先で仕事をする場合は、日本の国内の国家公務員としての処遇が与えられていて、これは何ら他の公務員と変わりない。
ただ、外国に行った場合にさまざま費用がかかる、これも当然のこととわかります。ですから、法律によって在外職員の手当を幾つか積み上げて手当てしている、これも理解できます。ただし、私は、手当が高いか安いかというよりは、その手当を決める仕組み、ここの部分が国会できちんと議論されないといけないと思っております。この中の一番中心的な在勤基本手当というものについて、まず少し詳しくお尋ねしたいと思うんです。
在勤基本手当、今回、大使とか総領事とか、法律に表がずっと全世界のあれがついておりまして、その数字の羅列を見てもよくわからないので、幾つか調べてみました。
きょう、ちょっと資料をお配りさせていただきました。これは私なりにです。やはり、在外の手当というものは、その国の生活レベル、物価水準、そして日本との為替の関係など非常に大きな変動要因がある中で、今資料、二枚紙をホッチキスでとめたものがございます。
一枚目は、世界的にも有名なんですが、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングというところが毎年、世界生計費調査というものを出しております。実は、この生計費調査というのは、全世界百四十四都市で、それぞれ企業の海外駐在員が必要とされる衣食住、交通、娯楽など、幅広く二百以上の品目あるいはサービスの価格を調査、比較し、ニューヨークを一〇〇とした指数で各都市の生計費を順位づけている、こういう性格のもので、非常に伝統と権威のあるものであります。
外務省の今回の法改正においては国別のIMF指数を使っているという説明を受けておりますが、国別では、その国の中で、日本だって東京と沖縄の那覇と比べても相当生計費が違うわけですから、特に総領事というのは各都市に散在します。総領事館の館員もそうです。となると、やはり都市別で見るべきではないか。
これをちょっと見ていただくと、一ページ目で見ると、ニューヨークを一〇〇としております。そして、ニューヨークの現行総領事在勤基本手当は六十二万円である。今回の改定、右から二番目の箱ですね。今回、改定で六十二万円を六十万円に減らすとおっしゃっている。減らすことがいいのかどうかはまたその後の話です。
一番下の例えばマニラを見ていただくと、ニューヨークは生計費指数一〇〇、マニラは四八・八で半分以下ですね。それで、現行の総領事在勤基本手当は、ニューヨークは六十二万、マニラは四十五万という差になっています。在外勤務の種々の手当等については、私は、基本的にそこでの生活の指数が、もちろん住居費も含めて、やはり大きな都市による差であろうと思うんですね。
では、在外基本手当というのは一体どういうふうに、この基本の部分ですが、算定されているのかということをしきりに事前に伺うんですが、どうもよくわからない。私は、在外職員の給与の中の特に在外基本手当については、大ざっぱなこんな箱でこう書いてあるんですが、通常経費それから特勤加算、これは途上国等非常に厳しいところに加算している、その二つで成り立っていると聞いているんです。それでは、我々にとっては、このニューヨークの六十万円というのは、一体どういう積算根拠でされているのかさっぱりわからないんですね。
ですから、在勤基本手当のあり方というもの、ここには在勤基本手当の幾つかのことは書いてありますが、これでいいんだろうかということについて、今外務省は何か考えることがあるかどうか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
○塩尻政府参考人
今委員から御指摘のありました点、我々も、常日ごろから非常にいろいろ悩み、いろいろ対応を考えているところでございます。在外職員の給与の決め方については、できるだけ我々もいろいろなところから、公平な目で見まして、材料を集めまして、決めております。
先ほど御指摘がありましたように、在外基本手当というのは、通常経費と、それから途上国については特勤加算ということから成っております。通常経費につきましては、在勤、その地で勤務するのに必要な費用ということで、それぞれ計算をしております。そのほか、給与を決めるに当たって、為替の問題ですとか物価の問題があるということで、そういうものを総合的に勘案して給与を決めているということでございます。
先ほど御提示のありましたマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングの指標、我々もこういうものも参考にさせていただいております。地域によって差があります。ニューヨーク、ロンドン、総領事の給与がどうしてこういうふうに違うんだということがあります。ここら辺の説明でございますけれども、一番大きな要因は為替の関係がございます。それから、物価もロンドンの方が米国よりも高いということがありまして、ロンドンでの手当が高い。ただ、総領事の給与となりますと、それにその公館の規模の問題だとかそういうような要素も入ってきてこういう数字になっているということでございます。
○藤村委員
だから、何度聞いてもよくわからないのは、例えばニューヨークでも、外務省の場合はワシントンの一等書記官を基準にしているということは聞きましたが、どこかを基準にしたときに、まずその基準の額はどう決めるのか。今、官房長の説明は、特勤手当と通常経費だと。
それでは、この通常経費は、しかし、いわゆる為替変動とか地元の生活費とかによってまさに大きく変動するし、都市別の差というのはそこから出てくるんだろうと思うんですね。特勤手当はちょっと差が出ないと思います、指定するわけですからね。だから、通常経費の差がこの差でいいのかということを、私、先ほど資料を提示しましたマーサー・ヒューマン・リソース。
二枚目は、これはスイスのユニオン・バンク・オブ・スイスの物価所得調査で、ここも割に新しいデータをどんどんホームページなどでもアップしておりますが、例えば、家賃を含むものと含まないもので、ニューヨークと今のマニラのこの大きな差を見たときにも、マニラで現行総領事在勤基本手当四十五万円とするならば、ニューヨークは本当にこれは百万円ぐらいでないときついんじゃないか。逆を言えば、ニューヨークで六十二万でいくならマニラは三十万円でいいんじゃないかという話になるわけですね。
だから、一体、在勤基本手当を、まさにそのレベル、基準になるものをどう決めているのかということをずばり伺いたいんです。
○塩尻政府参考人
在勤基本手当の額でございますけれども、これは幾つかの要素で決めております。例えば、職員が海外で勤務生活を行うということで追加的に必要となる物品あるいはサービス、こういったものをベースにする、あるいは平均的な在任期間だとか償却率を勘案しまして計算する、物品・サービスの調達先を勘案して決めるというようなことがあります。
いずれにしましても、それぞれの任地、為替の変動ということ、先ほどもお話し申し上げましたけれども、そういったものを勘案して在勤基本手当を決めるということでございます。
○藤村委員
外務大臣、よくわかりましたか。
外務省の説明によれば、この五年間ぐらいで大使は四割ぐらい在勤基本手当を減らしているんですね。総領事クラスでも二割五分ぐらい減らしている。一般の方も二割近く減らしている。日本の公務員で、確かに人事院勧告などで横ばいないし若干のマイナスというところはあるんですけれども、これは減らし過ぎだ、逆に言えば過去が高過ぎた、どっちがどっちかはわかりません。
ただ、どっちかを判断するにおいても、一体この在勤基本手当というもののまさに基準額、ワシントンの一等書記官というところを基準にするなら、そこに対してどれだけ手当てすべきかの根拠というものをやはりきちんと我々に示していただいて、それが妥当なのか、適当なのか足りないのか、こういうことを審議するのがこの国会の場ではないかと思うんです。
ところが、外務省も、自分たちで決めてはおりませんと。在勤基本手当は、外務人事審議会ですか、外人審と省略されておりますが、つまり外務省のいわゆる審議会、八条機関だったと思います、ここに勧告してもらう。それで、その勧告を受けて法改正をし、案をつくって国会に提出する、こういう一応の形式をとっていらっしゃいます。私は、よく言われる審議会行政に成り下がってはいないか。外人審のメンバーの方々はそれぞれ立派な方で、見識をお持ちの方で、それぞれ意見を言われるんです。ただ、この形が本当にいいのかということであります。
この外人審は毎月のように開かれていて、私、去年の、つまり今回のこの外人審勧告、特に在勤手当等について決めたのはいつですかと聞きましたら、これは去年の十月の会議でありました。十月六日午後五時から六時四十分、一時間四十分ぐらいで。それで、では会議の、特に在勤手当の改定に関する件をもう少し詳しく、どういう議論があったんでしょうかと聞きましたら、記録はあるのかどうか知りませんが、いや、これは出せませんと。では概要ということで、こういう概要はいただいて、こう書いてありました。在外職員の手当につき、副幹事より在勤諸手当の改定に関する外務人事審議会勧告案が示され、右に関する議論が行われた。それだけを知りました。
議論の中身、これは外交秘密ではないと思うんですね。給与の問題等、人事秘では確かにあると思います。しかし、外交機密などという案件ではないし、変える会が、外務省が情報を隠しているんじゃないかとかいろいろなことが言われた中で、情報を開示していくというのは行動計画にも大きく載っている案件であります。ですから、この外人審で、特に我々が在勤手当のことを審査するわけですから、その中身、どんな議論があったぐらいは当然開示すべきではないか。しかし、今のような内容の程度しか開示がされていません。
ここで問題なのは、外人審勧告案が示されという、これはだれが示したかというと、ここは副幹事と書いています。実は、副幹事というのは、委員以外に、外務省の人事課長、会計課長、在外公館課長三人が副幹事です。このどなたかが示したわけです。すなわち、給与の改定はこうしたいというまさに事務局案を審議会の人にどうですかと。それで、たった一時間四十分で、その他の案件も幾つもやっていますから、はい、わかりました、ぱんと判を押しているという実態ではないか。
本当に、私は先ほど、外人審のメンバーにかわってこの物価調査などちょっと世界的な数字を集めてみてやっただけでも、やはり幾つか矛盾はあるし、ここは足りないんじゃないかとか思う点はいっぱいあるわけです。外人審がこの在勤手当等を決めるきょうまで長年やってきたやり方、これで本当にいいのかどうか、この辺はちょっと外務大臣にもお伺いしたい点でございますが、御意見ありましょうか。
○町村国務大臣
委員先ほど御指摘をいただいたように、大変に厳しい見直しが行われまして、過去五年で、大使で約四割、一等書記官で約三割の削減。
私も、正直言って、大臣になってこれはびっくりいたしまして、何でこんなに減っておるんだと。これは今、国内全体でも厳しい経済雇用情勢が続いている、あるいは公務員給与も毎年若干ずつでも引き下げられている、そういう状況を加味して、在外職員についても一層の節減を求めたと。
多分、この背景には外務省不祥事があり、バッシングと言ってはいかぬのかもしれませんが、外務省に対する全体としての厳しい雰囲気の中でみずから自粛をするというようなこともこれあって、こういう結果になったのではないだろうかと思います。外務人事審議会も、平成十三年、十四年、勧告の中で、厳しい国内状況というものを厳正に受けとめる必要があるというふうに述べているわけでございます。
そういう中で、今委員から、この審議会の役割、機能はこれでいいのかという御指摘でありました。委員のこの表を見ると、仮にニューヨークが一〇〇が正しいとして、マニラが相対的に高過ぎるではないかと。確かに、この数字を見ると、なるほどそうかな、率直にそういう印象も持つわけであります。
ただ、他方、全部が物価スライド、生計費スライドというわけにも多分いかないんだろうと思います。ある部分はそれぞれ共通の部分として持っており、ある部分は物価スライド的に考えてもいいという要素が多分あるんだろうと思います。私は、どういう方程式があってこういうものが今現実につくられているのか、実はまだ詳細には、申しわけありません、知らないのでありますが、一定のそういう何か公式に当てはめてやっているんだろう、こう思っております。
実は、私も着任早々、昨年の十月、この審議会の高垣会長さんと直接お目にかかりまして、審議会の勧告を直接御提出をいただき、そしてそのとき若干の議論もしたことをよく覚えております。その中では、為替相場や物価の変動を十分反映された改定をすべきである、それから勤務環境が悪化した勤務地については加算額を拡充するように努力すべきであると。
いずれにしても、近年非常に大幅に削減してきているなということを踏まえて、しっかりやってくださいということで、これは公表されていると思いますけれども、具体の勧告というものが出されているわけでございます。これを見ますと、昭和二十七年四月に設置をされているということで、大変歴史のあるものなんだなということがわかるわけであります。
どこまで公開するかという今委員の御指摘がありました。この中には、外交機密漏えいを理由とする懲戒処分についての不服申し立てに係る事案の調査等々、こういう部分もあるもので、多分余り詳細にわたっての公表というのを差し控えているんだろう、こう思います。
ただ、委員今お話しのとおり、在勤手当といったような部分は懲戒などとは違う部分でありますから、そういう意味では、どういう議論があったのか、どういう資料でやったのかというようなことなどについては、もう少しきちんと対外的な説明があってもいいのかなと思いますので、今後、その辺は、少しく公表のあり方については検討させていただきたいと思います。
いずれにしても、基本的に、委員御指摘のとおり大幅にこれは下がってきておりまして、ことし十七年度予算で余り下がり続けると、やはり職員のモラールということにも影響が出てくるという思いも私はしたものですから、財務大臣とは何度か折衝いたしまして、ことしはとにかく下げどまるようにしたいものだということで、結果、大体そういう方向に落ちついたのかな、こう思っているところでございます。委員の御指摘、よく踏まえて今後対応していきたいと思います。
○藤村委員
町村大臣、これは実は去年の三月に審議したときに、当時の川口外務大臣も、外務人事審議会という外部の人に来ていただいている審議会にそういったデータを報告しているということですけれども、このプロセスをより一層透明化するためにどうしたらいいだろうかということで検討してもらいました、ホームページ等を通じて公開していくという姿勢ですということを答弁しているんですよ。
ですから、私も、当然、今回この案件を審議するんですから、さっきの副幹事が勧告案を示す、右に関する議論が行われた、内容全くなしの報告では、これはとても国会での審議に値しないと思っておりますので、本当に注意して、これは一年前にやっているんです。
それからさらに、もっと昔に、さっき昭和二十七年とおっしゃいましたけれども、実は、この案件、特に外務人事審議会、外人審については人事院でやるべきでないかという議論は昔からあったようであります。これは昭和四十五年の決算委員会での質疑の中で、当時の愛知外務大臣が、一般職と同じように人事院の担当でやるべきではないか、そういう答弁もされています。
だから、外人審は外人審で役割はほかにいろいろあると思うんですが、給与の問題というのはどうして人事院で、いや、人事院が大変だと言うのかもしれません。しかし今の外人審のメンバー、それほど多くはありません、七人ぐらいだと思います。まさに外務省の事務局案を、はい、これです、勧告案です、はい、わかりました、決裁という形の形式はぼちぼちやめた方がいい。
本当に、今、私は大阪で、大阪市役所の公務員の給与の問題が物すごい問題になっていますけれども、本当に、国民、有権者の皆さんというのはそういう、いや、必要なところにはやはり使え、これは多分あると思うんです。ただ、きちっとわかるように説明をしろ、特に国会ではちゃんと議論をしろ、そういうことであろうと思いますので、この点、今過去の国会審議の例を挙げましたが、本当に公開されていておかしくない、そういうことだと思っています。
それで、今外務大臣おっしゃったその外人審の勧告案、これも事務局でつくったのかもしれませんが、しかし、意見があったんでしょう。本当にこれだけ下がっていると、在外職員の職務の遂行と生活に及ぼしている影響を無視することはできないとおっしゃっています。
これが、次の質問項目にもかかわるんですが、つい先日、外務省の行動計画三年、この評価を総務省行政評価局の方でされて、こんな分厚い報告書を出されて、これが出て、つい三月十一日の新聞報道、「昼休みなので閉めさせてもらいます 外務省在外公館 進まぬ意識改革」という見出しになってしまう。
これは若干、私は、この新聞記事が一面、非常に小さい面しかとらえていないんでちょっと弁護しておこうと思うんですが、意識が相当変わっているという意味では、特に在外公館に来る邦人の方等の一般の方の意識は、非常に丁寧な対応あるいはどちらかといえば丁寧な対応というふうに評価するが八八%あります。その中に、聞いてみると、午前の業務が終了する十二時前に窓口を閉められるかと思ったけれども、パスポート、書類の更新手続、すべて終えるまで丁寧に対応してもらえたという答えもたくさんあるわけで、この見出しだけでけしからぬとは言いません。
ただ、この中で問題になっているのは、在外公館に勤務する職員の三六%がいまだ意識は変わっていないという回答、これは問題だと思います。すなわち、何か在外勤務の手当等も減らされるし、そういうものが非常に間接的に影響していたら、これはゆゆしき問題であります。
だから、手当については、本当にオープンにしながら、しかし、必要なものをきちっと手当てする。この姿勢を、外人審の勧告案を事務局でつくって出しました、そしてそれを議論しましたというだけの報告でこの国会での審議をしろというのは、本当にこの外務省の態度に対しては怒りを覚えておりますので、外務大臣は今そういうことで検討するとおっしゃったんで、本当に検討していただくと同時に、さらに、特に給与については、外人審が扱うのがいいのか。昭和四十五年当時の愛知外務大臣は人事院でという話もされているぐらいでありまして、それからずっと相変わらずやってきたわけですから、一度その原点に戻っていただきたい。
といいますのも、外人審がやるのは変動だけをやるんです、変動だけを。去年がこうであって、ことしがこうなりますという変動だけやるんです。しかし、私さっき申しましたように、ワシントンにおける一等書記官を基準にしている。その基準そのものを一遍これはきちっと精査し、検討する。こういうことを、これは多分外人審でちょっと手に負えないかもしれませんので、本当に人事院に何なら手助けをしてもらうという考え方もないではないと思いますので、そこのところをぜひ検討いただきたいなと思っております。
実は、この外務省改革、この三年の評価ということで幾つかの質問を用意しております。これは次の機会にちょっと回させていただいて飛ばします。
どうしても最後の五分ぐらいで聞きたい点がございます。町村外務大臣の外交に対する基本姿勢の問題であります。
私も、政治の世界に出るときに一番素朴な疑問として思ったのは、独立国日本にどうしてアメリカの軍隊が駐留しているんだろうか。これはずっと、ことしが戦後六十年と言われますけれども、いまだにどうしてかな。種々、地元の皆さんの声を聞きながら、意見交換をしながら、それなりに自分なりに現状はわかってまいりました。
町村外務大臣、大臣自身はどのように、非常に素朴な疑問です。日米安保下において戦後六十年を経て現在も駐留米軍が存在することをどういうふうにお考えなのか、どういうふうにとらえていらっしゃるのか、お考えを聞きたいと思います。
○町村国務大臣
藤村委員の率直な御疑問、私も理解をできる部分がございます。
なぜ、全部自賄いというか、日本国ですべて自己完結的にできないのかというような御疑問であろうと思います。
戦後の日本の敗戦の姿から今日に至るまで、自衛隊は自衛隊で、当初から自衛隊という姿ではなく発足をしたわけでございますが、自衛隊は自衛隊として年々整備されてきている、こう思っておりますし、昨年末新しい大綱を決めたように、時代に合った形での防衛力整備、これは私はしっかりと進んできている、こう思います。
ただ、これは在日米軍がいるということを前提にした現在の防衛大綱であり自衛隊の姿であるということで、その根っこから全部見直す必要があるのではないかという御指摘だろうと思います。
基本的には冷戦が終わったわけではありますが、しかしアジアの一角においては、一つには冷戦構造というものが依然としてまだ続いている。さらに、新しい要素として、大量破壊兵器の拡散でありますとか、あるいはテロの続発といったようなこともあります。また、北朝鮮における核開発、核保有宣言というものもつい先日あったばかりであります。
そういった状況を考えたときに、本当に今、日本の自衛力のみで自国の安全を完全に達成することができるかというと、それは鶏と卵のようなところが確かに多少ありますけれども、私は、在日米軍の存在、そしてその根っこをなす日米安保条約というものがあるからこそ、日本の平和と安全、独立というものが今日まで保つことができたということは言えようかと思います。
したがって、今積極的に、日米安保条約を廃止し、米軍の駐留をもう結構でございますと日本の方から言える状況かというと、やはりそれは違うんだろうな、こう思わざるを得ないのであります。
特に、戦後の日本の憲法のもとで、専守防衛、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならない、非核三原則、核兵器は持たないというようないわば幾つかの原則のもとに日本の防衛力というものがあるわけでございまして、そういったことなどをすべて総合勘案したときに、現在の米軍が駐留をし、そしてその抑止力というものと、我が国がみずからの国はみずから守るという気概とそのための防衛力整備とが相まって今日の日本の平和と安全というものが保たれているということでございますから、この状態が果たして何十年も続いていいかどうか。
それは私は、その都度その都度の判断がいいと思いますが、現状、今の日米安保体制、そして米軍の駐留というものを根っこから急いで変えなければならないという状況ではない、かように考えております。
○藤村委員
時間が来てしまいましたので、今ちょっと言いっ放しで、お答えはまた次回にでもと思っております。
町村大臣が昭和五十七年に、まだ選挙に出られる前に出された、町村信孝「熱闘の時代」という本をちょっと読ませていただきました。古い本です。ここに、例えば、「日本が自分自身で国を守る気概と相応の防衛力を確立することを前提として、日米同盟をはじめとして、西側諸国などとの連携を強化することによって、国の安全を図ることが重要である」など、今おっしゃっている、ほとんど変わっていないと思うんです。一貫していて、私は非常に重要なことだと思っております。
ただ、今お話の中でおっしゃったのは、戦後の憲法下においてという前提ですね。しかし、今、憲法改正がもう、憲法調査会など衆参に置かれ、それが五年を迎え、そして自民党さんの中でも、あるいは我々鳩山元代表も私案を出しておりますが、そういう時代になってきたわけですから、いよいよ、現行憲法下でということでなしに、政治の世界ではその先どう考えるかということを本当に議論していかないといけないと思います。
戦後六十年ずっと駐留米軍によって日本の安全保障が支えられてきたこと、このことは幾つもメリットがあって、それはそれで評価しようと思います。ただ、今後、さっき何十年とおっしゃったけれども、五年、十年の中で、本当にその状態でいくのか。
いや、やはり、きちんとした日本の防衛力の整備をしながら、自国のことは自国で守る。これはきのうでしたか、本会議での新防衛大綱とか次期防の話の中でも、小泉総理も二度答えられていますね。これは気概だけでなしに、気概というのは気持ちの問題ですから、実行していくという、今まさに憲法改正をするというふうな状況の中では、そういうことを今後議論していきたい、いただきたいと考える次第であります。
以上で終わります。ちょっと延びまして、失礼しました。
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