(前略)
○若宮委員
ありがとうございました。
それでは、民主党の御提案をなさられた方に同じくお伺いさせていただきます。
御党の十二条の部分でやはりこの生涯学習についてお考えが述べられておるところでございますが、私がちょっと拝見いたしますと、生涯学習と社会教育というこの言葉の差異といいますか、このあたりがちょっと不明朗になっているやにお見受けをするんでございます。また、今、小坂大臣からもお話しございましたが、この生涯学習の理念といったものについての言及がお見受けができないような形になっているかと思うんですが、このあたりは盛り込まなかったのか、あるいは何かしらお考えがあるのか、そのあたりをお聞かせいただければと思います。
○藤村委員
若宮委員におかれましては、御質問いただきましてありがとうございます。
人間は、生まれながらにしてというか、あるいは生まれ出る後に死ぬまで一生涯学ぶということは、もうまさにそれが生涯学習であろうと思います。ただし、御承知のように、生涯学習という言葉自体は割に新しいわけで、日本の法制度の中では、多分、平成二年に生涯学習の振興に関する法律ができた。一九九〇年でございます。ある意味では、この現行教育基本法ができた当時にはまだその生涯学習という概念はなかったんですね。
政府案が現行法を改正するという観点からすると、その後に出てきた新しいこの生涯学習、これは大切ですから、生涯学習の理念を入れられたんですが、我々、新しく新法で出しましたものですから、まさにこの法律自体が生涯学習の基本的理念を第二条で書き込みをさせていただいておりまして、「何人も、生涯にわたって、学問の自由と教育の目的の尊重のもとに、健康で文化的な生活を営むための学びを十分に奨励され、支援され、及び保障され、その内容を選択し、及び決定する権利を有する。」こういうふうに、後ほど出てきた新しい概念をむしろ我々はこの法の中心に置いて新しく立法をさせていただいた。
生涯学習は、学習者の自発的意思に基づくこと、あるいは学習者個人のニーズに応じて生涯を通じて行うこと、そして、スポーツ、文化、趣味、レクリエーション活動などにおいても行われるという基本的な視点が挙げられておりますし、社会教育というのは、昭和二十四年に社会教育法ができまして、日本の国及び地方公共団体が行う教育の、学校教育と社会教育というまさに車の両輪でありまして、それで進んできたんですが、その後に生涯学習という概念が出たわけで、生涯学習というのは、学校教育の部分も含むし社会教育の部分も含むし、そして生涯学んでいこうというものでございますので、我々は、新法だから、一番初めの二条でこの概念をまさにきちっと書き込んだということでございます。
○若宮委員
ありがとうございました。
それでは、次の項目に移らせていただければと思っております。
実は、私は議員になる前に、都内の子供の小学校のPTAの会長や相談役あるいは学校評議員等々を仰せつかって、させていただいておりました。そういった観点からも、現実的な現場の声も含めた形での質問等々をさせていただければと思っております。
続きまして、家庭教育について、これは政府案での第十条になるかと思います。いろいろな委員の皆様方から、いろいろな外的要因のせいにして今回変えるのはいかがなものかなんというお話し向きもございましたが、外的要因だけでなくて、やはりこの日本の国内が、当初、先ほど来お話しになります、制定された時期からいたしますと、産業でいえば、一次産業から二次産業、二次産業から三次産業へとこの比率が移っていった事実もございます。また、高度成長期に地方から都市部に人口が集中したがために家が足りなくなり、それを何とかするために団地を通勤圏にたくさんつくった。このつくった団地の住まい方が、それまでの住環境あるいは生活環境というのが大幅に変わる大きな原因になったんではないかなというふうにも考えております。
昔ならば、例えばですが、御商売をなさっておられる方あるいは工場を経営されていらっしゃる方でしたら、下でお仕事をなさって、二階とかちょっと近くでお住みになっておられて、職住が非常に接近しておられた。あるいは農家の方でいえば、隣の田んぼがちょっと稲刈りがおくれているから、悪いけれども手伝ってくれないかと言えば、みんなで精を出して手伝いに行こうという助け合いの精神があって、いろいろなところでやはりコミュニティーとして生まれていたのではないかなと。
家庭もまさにそうだと思うんです。接触の時間が非常に多かったと思うんですが、これが、仕事場へ通うというこの通勤地獄という言葉にもあらわれているんですが、いろいろな形での生活の変化が家庭にも大きな影響を及ぼしていて、いわゆるこの家庭教育ということに対して、非常に弱いあるいは低下してしまっているのが現状になっているんではないかなというふうに感じております。
今回の改正でこの家庭教育というのをしっかり位置づけをする必要があるかと思っておりますが、この政府案の中では、家庭教育というものを適切に位置づけておられることに対しては非常に高い評価をやはりこれもいただけるものではないかなというふうに思っております。
経済情勢や社会情勢の変化だけじゃなくて、少子化ですとか核家族化ですとか、いろいろな家庭のあり方そのものの変化が大きな影響を及ぼしているとは思うんですが、このあたりを踏まえて、家庭教育というものについて、国の支援のあり方や、これからこの基本法の後の施策のあり方も含めて何か実のある方策をお考えのところがあれば、お聞かせをいただければと思っております。
(中略)
○田嶋(要)委員
皆さん聞いておられると思いますけれども、こういう答弁を聞いて、やはり審議はまだ全然足りない、国民的な議論なんかまだ起こっていないですよ、まだまだ。それはもうこれからやはり、今プロジェクトチームを立ち上げられているということですから、まさにこれからしっかりやっていかなければならないというふうに私は思いますね。
三年前、四年前から始めていたのは結構ですよ。しかし、私の理解はやはり、重要な文言が固まってきたのはまだまだ最近ですよね。それをこの特別委員会を開いて集中的にやっている。世の中から見れば、一体何でこんなに急いでやっているのか、これは私、素朴な疑問として出てくると思います。ぜひ、今まさに政府委員の方がおっしゃったように、そういった、しっかりとしたタウンミーティングなんかもこれから全国的に広げていかなければいけない、私はそのように思います。
それで、民主党の方にも御質問をいたしますけれども、民主の今回の法案でございますが、今回対案として法案を国会の方に提出されました。その中で、当然、通常でしたら自分たちの法案を通過させる意思があって法案を出してきているわけでございますが、今回の民主党の基本法改正案の提出の意図に関してお知らせをいただきたいと思います。
○藤村委員
田嶋委員の方で今政府にただしていらっしゃったと同じように、民主党におきましても、小渕内閣当時に、教育改革国民会議ができたほぼ同時期に、私どもは教育基本問題調査会というものを発足させた。以来、党内における教育の基本に関して種々論議をしてきた中で、昨年の四月には、この教育基本法について、新しく我々は教育基本法をつくろうと。憲法についても創憲という言葉を使っておりますが、我々、教育基本法についても、新しく教育基本法をこれはひとつつくろうということが去年の中間報告、四月でございました。
以来、約一年間かけて今回提出した教育基本法を上程したわけでありますが、政府が出されたのが四月二十八日だったと思います。我々は五月になってからの提出でありますので、そういう意味では、政府案のこれは全部改正という現行法の改正、そして我々は全くの新法としての日本国教育基本法、これを並べて、今から本当に、一年かかるか二年かかるか、まさに国民的論議を起こしたい、そういう意図もございましたが、何より、我々の法律がやはり、これは新しい教育基本法として通していただきたいという気持ちでございます。
○田嶋(要)委員
せんだっての鳩山先生からの発言、五月十六日ございました、これから一年、二年かけてという発言でございましたけれども。そういたしますと、この民主党の対案というのも次期臨時国会に出してくるとは思うんですが、その場合にも、法案の成立ということでは、これから一年、二年、じっくり時間をかけてというお考えであるということでよろしゅうございますか。
○藤村委員
次期の国会のことはまだわかりませんし、私どもは、この国会において十分な審議がされれば、当然、最終的に採決ということになるんでしょうが、我々の考え方は、先般鳩山幹事長が御報告したとおり、まさに今両案が国民の前に明らかになり、これをまさに一、二年かけて国会で審議すべしという考え方でございますので、我々の案を掲げて、この次の臨時国会がどうということについてはよくわかりませんが、今後もいろいろ説明し、議論を巻き起こし、国民的な議論の中で決めていっていただきたいと考えております。
○田嶋(要)委員
もう一点、政府と民主党両方にお伺いいたしますが、教育基本法に関しましても、調査会を開くべきという意見も大変多くございます。その点に関して、まず民主党の方から御意見をいただきたいと思います。
○藤村委員
先ほど来おっしゃるとおりですが、教育基本法というのは本当に教育における憲法ということで、これはまさに教育の根本理念を示す、あるいは教育分野で最も重要と言える法律ですし、今後の日本の人づくりの方向性を示して、また進路も大きく変更をすることになるだろうと考えますので、広く国民的な議論と合意が形成される、このことが何より肝心だと思います。
そういう意味では、先般、今も行っていますが、憲法を、憲法調査会を衆参に設置して、五年間の調査をずっとされてきた。そして今、特別委員会に切りかわって、いよいよ、また中身の改正云々ということが、議論が始まったばかりでございます。
そういう意味では、それと本当に同じぐらいの位置づけで教育基本法というものがあると我々は思っておりますので、五年とは言いませんが、鳩山幹事長が申しましたように、本当に二年、三年ぐらいかけてこれはじっくり議論をすべき課題だと思っておりますので、ぜひ調査会を設置してほしい、そのことはずっと要望しております。
○小坂国務大臣
私どもは、今回御審議をいただいて、できれば今国会で成立をさせていただきたい。できればという言葉を当初は申し上げておりませんでしたが、最近のいろいろな報道を聞きますと、今はそう申し上げた方がいいのかもしれませんが、私の立場としては、何としても皆さんの御理解を得て今国会において法律を成立させていただきたい、こう考えているところでございますので、今から調査会をつくってその審議をするというようなことは考えておらないわけでございますし、民主党の皆さんも、今国会に法案を提出され、並行して審議をしていることを考えれば、私は基本的にはそのような考え、私どもと同じような立場でないかな、こう推測をさせていただいているところでございます。
○田嶋(要)委員
次に、大きな別のテーマとして、子供の安全、安心を高める取り組みということでお伺いをしたいと思います。
言うまでもなく、残念な悲しい事件が相次いでおりますけれども、この関係の質問は猪口大臣にはかつて別委員会でさせていただきました。そういったところでございますが、まず最初にお伺いしたいことでございますが、文科大臣にお伺いいたします。
今のようなさまざまな異常な事件が起きている、子供が被害者になる場合だけではなくて加害者になる場合もあるわけでございますが、そういった今の社会問題、この社会問題を解決していくかぎが文科大臣の視線から見られてどこにあるというふうにお思いになられているか、その御所見をいただきたいと思います。
(中略)
○田嶋(要)委員
数字はわかっているんですけれども、全然少ないでしょうということを言っているんですよ。先進他国に比べて決して低くない、私はこれは間違った答弁だと思いますよ。決して低いんですよ。決して低いというのは日本語でおかしいですね、済みません。低いんですよ。
こういうことを、国民には伝わらないですよ、党首討論のときもですし、それから本会議場での答弁ももうすり抜けているような答弁ばかりで、まずはそこを認めなきゃ私はいけないと思う。今までは力が入っていなかった、そういうことから、しっかりとした教育、あるいは教育基本法の議論も含めて全力でやっていかなきゃいけない、私はそのように思います。非常に残念な状況が今続いておると思います。
そこで、お伺いをします。
今回、教育基本法で、そういった観点からどのような重視を、教育にもっともっと力を入れていかなきゃいけない、そういったメッセージが今回の教育基本法の改正案の中に入っておるかどうかということでございますが、これはまず民主党の方にお伺いをいたします。
民主党の改正案の中には、こういった教育支出、今までのことを深く反省をして、これからの日本が教育最重視で国を立て直していくんだ、そのことがこの改正案の中に盛り込まれているかどうか、その点を御答弁いただきたいと思います。
○藤村委員
現行教育基本法が議論された昭和二十二年当時に、憲法で、義務教育は無償とするという大変画期的な条項が入った。そして、教育基本法においては、義務教育で授業料は徴収しないとした。そのときに、義務教育で授業料を徴収しないだけでいいのかという議論は相当あったようでございます。ただ、昭和二十二年当時は、まだまだ日本の経済的なもの、体力、非常に厳しい中で、しかし、英断をもって、義務教育、特に授業料は徴収しないとして、それも六年から九年に延ばしたわけです。
そういう意味では、今回の教育基本法を変える際にはやはりそういう英断が必要だと我々は考えまして、私どもは、十九条に、教育の振興に関する計画というところの二項で、この計画には、「我が国の国内総生産に対する教育に関する国の財政支出の比率を指標として、教育に関する国の予算の確保及び充実の目標が盛り込まれるものとする。」とし、さらに、この基本法においては、予算の確保ということで、「政府及び地方公共団体は、前条第一項又は第四項の計画の実施に必要な予算を安定的に確保しなければならない。」とし、教育にはお金をかけていくぞというメッセージをここで発信させていただいたつもりでございます。
○小坂国務大臣
私どもの方は、条文は同じ十六条なんでございますけれども、教育行政という項目の中で、「国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。」としております。同様に、地方公共団体も、「地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。」としておりますし、また第四項におきまして、「国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。」としているところでございます。
さらに、十七条におきまして、教育振興基本計画を策定し、そして、計画的に教育基本法に規定された事柄が実施できるように、計画的な推進について定めているところでございまして、これらの規定をもって、今日まで努力してまいりました他の法律、例えば義務教育国庫負担法とかあるいは標準法とかあるいは教員の人確法と言われるような形で、予算面でも配慮されなければならない、給料面でも配慮されなければならない、こういった規定を設けながらその確保に努力をしているところでございます。
○田嶋(要)委員
先ほどGDPとの比率の話をいたしましたけれども、そういたしますと、民主党案というのはそのことをしっかり現状認識を踏まえた上、そういった数値目標というんですか、教育にしっかりと財政的な配慮を行っていくということを明確にしているのではないかという理解でございます。
それ以外に、幼児教育と高等教育に関する無償教育の漸進的な導入というのが六条と八条にそれぞれ明記をされております。それから、義務教育に関する保護者の負担の軽減というのが第七条の方では指摘をされておりますけれども、その中にもやはり同じ、教育にしっかりと財政的な力を入れていくということが表現をされておるのではないかというふうに推察いたします。その点に関しては、今申し上げた三点、どれも政府案には記述がないところでございますが、その点、大臣、いかがでしょうか。
(中略)
○田嶋(要)委員
今と余り変わらないだろうなという感じがいたしますけれども、この点、民主党の法案はどこが政府提出法案と違うか、その点を御指摘ください。
○藤村委員
先ほど小坂大臣からも言っていただきましたように、私どもは、教育委員会を廃止するという考え方でございます。
すなわち、国の責任を七条三項においてはっきりさせる。これは、財政的な措置、あるいはいわゆる行政、法律をつくっていく、仕組みをつくる責任、それから全国的な標準を定める責任、これらが最終的に国にある。
そして、残りのいわば教育行政の施行に関することはできるだけ身近なところでということを考えておりまして、それはすなわち、昭和三十一年にいわゆる教育委員会法が廃止されたときに、それまでは選挙で選ばれる教育委員であったのが、そうでなくなった。先ほど政府からの答弁では、首長、そして議会、それから教育委員会、この三者がそれぞれチェック・アンド・バランスだとおっしゃった、そのバランスがその時点で崩れたと思います。そういう意味では、責任、特に設置者である市町村長、首長さんに教育のその地域における責任を任せるということ。
さらに、十八条二項で、民意を反映した教育行政が行われるよう、選挙によって選ばれる首長の責任を明確にし、三項においては、現行の教育委員会を民主的な組織に改めること、これは教育監査委員会というようなものをイメージしております。
そんなことから、教育の部局というのは、いわば市町村にそれぞれ合併していくということでございますので、ここは政府案と大変大きな違いであるかと存じます。
○田嶋(要)委員
もう一点確認でございますが、これは、そうすると、民主党案では、教育の中央集権化ということを目指しているのではないということでよろしゅうございますか。
○藤村委員
お金と組織と標準は国が最終的に責任を持つが、しかし、実施する主体は、まさに設置者である市町村が最も責任を持っていただきたい。まさに地方分権の考え方でございます。
○田嶋(要)委員
最後に、数分でございますけれども、教員のことに関してもお伺いをしたいと思います。
全然話は違いますが、せんだって、旭山動物園の関係の方とお話をしておりまして、多くの方がその名前は知っておると思うんですが、まだ行ったことはないんですけれども。なぜあんな小さな動物園が上野動物園に入る人を超えたかという話をしていたら、飼育係の人に、それぞれの動物をどう見せていくかということを全部権限を任せて創意工夫を引き出したというような話をお伺いいたしました。動物園の話と学校の話がそのまま通ずるとは思いませんけれども、しかし、なるほどなというふうに思ったわけでございます。
学校の先生、これは一生懸命やっている方がおられる中で、現場の校長先生やいろいろな学校の先生とお話ししていると、やはり悪平等という指摘がよく出てきます。頑張っている人が多い中で、やはり、そうでない方とのいろいろな意味での違いをつけていくことが難しくて、現場の方々にやる気を失っている方が大変多いということを現状として伺っております。
先ほど人確法の話もございました。あるいは免許更新制のお話なんかもいろいろと出てきておるわけでございますけれども、今後、私は、これは恐らく教育のいろいろな課題の中でも大変、最重要の一つである、教える側の問題だと思うんですね。しかも、みんな我々も教えられてここまで大人になってきているわけだから、今の状況、あるいは私たちが子供だったころの教えてもらった、そういったことを比較しながら、どうしていったら本当にいい形で教えていけるかということは、みんなが関心を持っていると思います。
先ほど安倍官房長官の方からも、先生との出会いが人格形成につながった、こういうような指摘もございましたけれども、これからどのように教える側のいろいろな政策課題に取り組んでいかれようとされておるのか。
時間が大変短くて恐縮ですけれども、その点に関して、大臣の方からちょうだいをしたいと思います。
(後略)
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