第164回  06年6月14日

 学校教育法等の一部を改正する法律案の質疑

文部科学委員会

 

○遠藤委員長 

藤村修君。

○藤村委員

  民主党の藤村修でございます。

  遠藤委員長のもとで、こういうメンバーで実質審議を行うのが、ひょっとしたら、きょうが最後かもしれません。そんなことで、政府提出の法案の審議も最終局面でございます。関係各位に、この間、大変御尽力をいただき、また、文部科学委員会進行に当たりましても、与党筆頭理事ほか皆さんに大変御理解をいただいて、スムーズに進んできたということを、私なりに理解しておりますので、感謝を申し上げたいと存じます。

  私は、きょうは三十分の短い時間で、参議院を経て衆議院に来たこの案件は、多分相当緻密に議論をされてきたというふうに思っておりますので、最終的にいろいろ確認答弁をいただくという形で、割にテンポよく進めたいとは存じますが、幾つかのことは申さねばならないと思っております。

  今、横山委員が最終述べられました、知的発達障害者の世界のスポーツの祭典、スペシャルオリンピックスについては、昨年二月に冬の大会が長野県で行われた。小坂大臣の出身地であります。そういう関係から、横山委員は地方において関係者であったんですが、小坂大臣は、中央において、長野におけるスペシャルオリンピックス実現に大変尽力をいただいたということ、私もたまたまその中に加わって、国が行うべき予算の獲得など、走り回った経験がございます。小坂大臣はそういう経験で、すなわち、知的発達障害の方々の世界のスポーツの祭典、これは大変たくさんのボランティアの人たちが参加をし、成り立つわけですね。そして、スペシャルオリンピックスの会合などを経ると、必ずそのボランティアの人たちが、大変勉強になった、こうおっしゃるわけですね。すなわち、これがまさにインクルージョンの考え方で、先ほどの横山委員の考えもそうでしたが、学校の先生も、きょうまでの、いわゆる養・聾・盲の免許取得者がまだまだ少ない中で、かつ、その学校で教えている人もたくさんいるんですが、そこに行くことでその先生方は非常に啓発されるし、理解が深まる、だから人事交流も必要だということであろうと思います。

  今回、この法案をここで審議し、採決に至るまでの間に幾つもの御発言があったんですが、先ほどの小島委員の質問で、小坂大臣は、大きな転換期である、こうおっしゃっておりました。私も大きな転換期だと思います。その転換の内容が、過去長い間、文部科学省は分離、別学という基本の考え方を固執していた。しかし、ここへ来て、これは世界の潮流云々という御発言もあるし、いよいよまさにインクルージョン、ノーマライゼーションというこの思想を日本の文部科学省が取り入れるんだ、こういうことであろうと思います。

  この確認をしたいと思うんですが、実は二月二十四日、衆議院本委員会において、これは与党の委員から、一般質疑でございましたが、やはり障害者の教育の問題について、小坂大臣は、原則分離を撤廃せよというお話は、まず、実態というか、環境がまだついてこない、しかし、どちらが先という問題は確かにあるけれども、今ようやく一歩前へ踏み出している、私はこれを、一歩を二歩、三歩と足早に進めさせていただいて、環境を早く整備しというくだりでお答えをされておりますので、そして、きょうの朝の発言、大きな転換期ということであるなら、文科省は、過去の分離、別学をいよいよ転換するんだ、今回の法案審議の中でこう確認させていただいてよろしいでしょうか。

○小坂国務大臣

  私も、ただいま横山委員の御質問を聞いておりまして、昨年のスペシャルオリンピックスにかかわる皆さんの御支援、御理解を思い出しておりました。藤村委員におかれましても、当時、同じ議院運営委員会の仕事を通じて御協力を賜り、また、公明党の冬柴議員ともども、この予算獲得に向けてかなり困難な作業に挑戦をしていただきまして、一時はギブアップ寸前までいきましたけれども、最終的に達成をすることができ、そのスペシャルオリンピックスは、全国のボランティアの皆さんの参加によって、過去のスペシャルオリンピックスでは最も成功したものと言われるような評価を得る大成功に終わったわけでございます。これはすべて、そのボランティアの皆さんの献身的な御努力によりまして、まさにこれを機会に、日本の障害者に対する考え方というものを改める機会にして、そして、多くの人にボランティアとして携わってもらうことによって理解をしてもらおうという努力の結果であったと私は思っておりまして、そういう意味で、ようやく日本も、いわゆるインクルージョン、インクルーシブな考え方に近づいてきている、こう思っております。

  やはり、教育の現場は、そういう意味で、徐々に変わりつつありますけれども、教員の配置及び学校の施設等の環境整備を待たなきゃならない部分もまだ残っております。したがいまして、今すぐ完全なインクルージョンの考え方で進めようと思っても難しい面はありますけれども、先ほど御指摘をいただきましたように、私は、たまたま私が大臣として学校教育法の改正に携わったこの機会に、少しでも前へ進めたい、こう思って、できるだけ前向きな答弁をして、省内の体制も整えるような形を進めたい、こう考えて答弁に臨んでおります。

  そういう意味で、今委員が御指摘いただきましたように、私も流れはインクルージョンの流れであるということをここではっきりさせていきたい、こう思います。その上で、現場の体制整備を行っていきたい、そして、国民の皆さんの理解をさらに促進してまいりたい、こういった意味において、今回の審議は、国民の理解を得る上で、また大きな役割を果たした、このように考えているところでございます。

○藤村委員

  小坂大臣の、流れはインクルージョンであると。これは大変大きな大臣答弁でございまして、文部科学省は、過去の分離、別学ということから、ここは大きく、本当に一歩踏み出されたということを評価したいと思います。

  次に、確認答弁に近い状態ではございますが、何度も問題になっております、いわゆる就学の選択ですね。きょうまでの答弁は、普通の学校へ行くか、特別支援学校へ行くか、あるいは特別支援学級かなどは、学校の先生や専門家や保護者がそれなりにきちっと情報交換し、相談し、決めるんだ、こういう話でありました。また、先ほどの答弁で、小坂大臣は、それをきちっと、保護者の話をちゃんと聞くようにということは、政令で位置づけるというふうにはっきりおっしゃっていただきました。私は、ここは一歩本当に前進したと思うんです。

  今回、教育基本法にもありますとおり、保護者が何より家庭の教育の第一義的責任者でありますから、そういう意味で、やはり保護者の責任者としての考え方であり、そして選択であると思うんですね、最終的に。ただ、保護者が必ずしも子供の最善の利益を促す選択ができるかどうかは、そこは専門家が入るところだと思う。だから、この辺を間違わないようにしながらも、しかし、やはり保護者の意向の尊重、あるいは、保護者が納得するように十分な機会、相談をする、こういうことをお願いしておきたいと思うんです。

  銭谷局長が、これは参議院で答えていらっしゃいます。その際には子供の最善の利益を考慮して決定することが重要である、こうお答えなされている。それは、心は今私が申し上げたような、そういうことでいいのかどうか、ちょっと確認をしたいと思います。

○銭谷政府参考人 

  障害のある児童生徒の就学につきましては、保護者や専門家の意見を聞きつつ、当該児童生徒の自立と社会参加のために、文字どおり子供にとって最善の利益ということを考えて総合的に判断されるべきものと考えております。

○藤村委員 

  さらに、その際の今の専門家というところにおいて、先日の参考人質疑で姜さんなんかも来ていただきまして、そういう民間の団体で非常によく勉強し、あるいは実際に障害者の皆さんとともに歩んでいる人たちがたくさんいるわけです。そういう方も専門家の中に入るかどうか、これだけ、ちょっと一つ確認させてください。

○銭谷政府参考人 

  今後の就学指導のあり方を考えたときに、児童生徒の教育的ニーズをきめ細かく把握し、これを就学先の決定に反映するための調査審議を専門的に行う機関でございます就学指導委員会の構成、開催方法、これは今後とも十分に検討していく必要があるわけでございます。

  この就学指導委員会につきまして、その構成は各市町村でいろいろございますけれども、障害を持つ方々のためにいろいろな活動をしておられる団体の方とか、そういう方もこの構成員には当然入り得るものと考えております。

○藤村委員 

  はい、わかりました。

  次に、教員研修と免許制度のことを確認していきたいと思うんです。

  この法律が成立しますと、来年の四月からもう動き出す、こういうことであります。すると、今から養成している話ではなしに、現に現職の教員の方々にどのように研修をしてもらうか、これが喫緊の課題となるわけでありますが、文科省としての現職教員の研修に対する認識、それから、それに対して来年度予算を今から措置、まさに概算要求するわけですから、その予算の考え方、そしてどういう問題点があるのかなどをお聞きしたいと思います。

○馳副大臣 

  これは大きく分ければ三つ申し上げられると思います。まず、横須賀にございます国立特殊研において、いわゆる中核となる教員の研修を進めるということが一つ。二つ目は、全都道府県に委嘱しております特別支援教育体制推進事業、こういった中で特別支援教育のコーディネーターを養成していくということが二つ目。三点目は、これはまさしく初任者研修や現職教職員の十年経験者研修を通じて、すべての教職員に特別支援教育についての基本的な理解を深めていただき、研さんを積んでいただく。

  三つの大きな事業を中心にしてやっていくべきと考えておりますし、そのために、平成十九年度の概算要求についても、そういった現職教員の資質向上のための研修にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

○藤村委員 

  今、十年研修までおっしゃったんですが、長期研修というのが教育公務員特例法でもできることになっておりますが、長期研修でまさにこういう専門性を磨くということはお考えではないんでしょうか。

○銭谷政府参考人 

  教職員につきましては、現職のまま、任命権者の定めるところによりまして、長期にわたって研修が受けられるということが、教育公務員特例法の二十二条の第三項に規定をされております。

  特別支援教育に携わる先生方が、こういった長期研修を活用してその資質の向上を図るということは、これはもちろんあり得る話でございまして、例えば、国立特殊教育総合研究所に長期に研修に来ていただくとか、そういったようなことも当然あり得るわけでございまして、こういった長期研修の一層の活用ということは、私ども促してまいりたいと思っております。

○藤村委員 

  長期研修が一カ月以上ということで、一年ぐらい、場合によっては二年もできるということであります。こういうものを利用して、やはり免許も磨いていただくということができると思います。

  今、これは都道府県がそれぞれ行われるわけで、文部科学省がああしろ、こうしろと言うのではないにしろ、長期研修で、特に一年ぐらいの大学院などに通うようなケースの場合は、何か管理者養成コースのようになってはいないか。やはり長期研修というのは専門家を養成するんだという考え方に少しシフトしていただきたいと思うんですね。単に長期研修で一年、専修の免状を取ったから将来はもう教頭、校長、こういう一つのルートをつくりつつあるようだと聞いておりますので、そういうことにならないように、特に専門性のものに長期研修を利用してもらいたいということで、これは何か答弁があればお聞かせください。

○銭谷政府参考人 

  長期研修につきまして、特別支援教育に限定したわけではございませんが、全体的な状況を申し上げますと、例えば、平成十七年度では一月以上長期研修という形で派遣をされている方は四千六百人ほどおられます。その派遣先を見ますと、やはり大学等の教育機関が三千四百人ぐらいで一番多いわけでございますが、それ以外に、企業とかあるいは福祉施設などに派遣をされているというようなケースもございます。

  したがいまして、長期研修につきましては、それぞれの研修目的ということがございまして、今先生からお話のございましたように、本当に御自分の専門分野をさらに磨いていくというような長期研修もございますし、管理職になるための幅広い経験を積む、あるいはマネジメントを学ぶといったような研修もございますし、御自身のいろいろな教育技術のアップということを目的とする研修もあるわけでございまして、それぞれの多様な研修目的を設定して行われるべきものであるというふうに認識をいたしております。

  したがいまして、本当に特別支援教育に関連をして言えば、特別支援教育に関する一層の指導力の向上のための長期研修ということが今後もっと活用されていいのではないかというふうに考えるところでございます。

○藤村委員 

  今、平成十七年の四千六百十人の数を挙げていただきました。小坂大臣、これは三年間だけ、とりあえず資料をいただいたら、平成十五年は五千三百人、十六年が四千九百三十八人、十七年が四千六百十人、右肩下がりでありますよね。これは他の、要するに教育関連予算というものがこういうことになっているのがここにもきちっとあらわれているわけです。

  今、局長答弁ありましたけれども、こういう特別支援の専門的なスペシャリスト養成のために考えたいとおっしゃるなら、これはふやさないとだめですから。これに、では例えば二百人ふやすとか、それはぜひとも特別支援の教育のスペシャリストを養成したい、そういうことを文科省ははっきり言わないと、今までどおりいっちゃいますよ。どうですか。

○小坂国務大臣 

  今御指摘いただきましたように、資料によっても右肩下がりになっているのは現実のようであります。

  現下の厳しい財政事情のもとで教職員の定数の効率的な活用ということが重要であることから、今の御指摘を踏まえて、今後の定数改善の中で研修等の充実を図りたい、こう考えるんですが、実際には、研修等の定数の合理化措置も配置を見直す中で行ってきたのも事実でございます。

  しかしながら、今局長が答弁しましたように、流れとしては、委員が御指摘のように、単なる管理職への通過点ではなくて、やはりスペシャリストや技能的な資質向上、スキルアップのためにこの制度をしっかり使ってもらうということがやはり必要だと思います。御指摘がありましたように、今日このまま放置すれば、まさにその流れになってしまいかねない懸念があることも私は認識できますので、今後、そういった意味で、この配員の見直しの中で現場を指導して検討してまいりたい、こう考えます。

○藤村委員 

  現下の厳しい財政事情の中でという冠が必ずつくんですが、教育は本当にそれでいいのかというと、皆さんそうじゃないとおっしゃるはずですよね。ですから、やはりそのことは、教育が聖域だとは申しません。でも、教育に今お金をかけないと二十年、三十年先にさらに困るんですよという話は、本当にしっかりと認識を、特に財務省関係の方にはしていただかないといけないな、このように思っております。

  そこで、そういう財政との関係でいうと、これはパネルにはしてこなかったんですが、この表は文科省の皆さんはすぐわかると思うんです。今回、この法律によってどういうふうに対象が広がるかというと、今までは従来の特殊教育ということで、通級による指導、あるいは特殊学級、それから盲・聾・養護学校、こうだったと。今回、それを新たに対象者としたのがLD、ADHDあるいは高機能自閉症等。この表で見ると何か半々ぐらいですが、数でいうと、この辺まで来ますからね。つまり、この法律はそれだけ大きな、対象をうんと広げたわけです。しかし、財政措置のない法律であります。

  だから、ここが私は今回のこの法律の矛盾点だと思うんですね。これだけ、非常に中身のある、インクルージョンの思想、世界の潮流を取り入れて、特別支援学校、そしてさらにそこがセンター的機能、さらにLD、ADHD、高機能自閉症等、皆さんに拡大をする、非常に理想の高い法律である、そのことは認めます。

  が、しかし、現実はどうか。現実は常に、先ほども答弁ございましたけれども、個人のニーズになかなか適応できない。ですから、それが今後努力するんだと。だから、理想は高いけれども実態が余りにおぼついていないというか、追いついていないですよね。

  それから、対象をこれだけ広げたけれども、第八次改善はやめたし、わずか今回の件で二百八十二人にふやす。それも単年度だと。非常にお寒い限りであります。

  このことは、小坂文部科学大臣にはもう十分な御認識はある上で、間もなく概算要求になりますので、十九年度の予算の問題がありますが、ここは本当に決意を示していただかないと、この法律、理想が高くていい法律だと我々もだんだんに評価はしてまいりましたが、余りに実態が伴わないんじゃ、言っていることとやることが違うじゃないか、こうなってしまいますので、ここは文科大臣の決意のほどをお知らせいただきたいと思います。

○小坂国務大臣 

  平成十八年度の予算折衝に当たりましては、財務大臣との協議において、喫緊の課題であります特別支援教育及び少人数教育の観点からの二百八十二人の定数改善を、自然減等見直す中の対応でこれを消化するという形で、第八次の定数改善は五カ年計画としては見送ったわけでございますが、単年度の実質を確保することで対応してまいりました。

  この十九年度の予算編成に当たっては、もう一度私どもは定数改善の基本的な考えに立ち返って財務省当局との折衝に当たってまいりたい、そのように考えておりまして、とりわけ今回の審議を通じて賜りました委員の皆さんの御意見というものを背景にして頑張ってまいりたい、このように思うわけでございます。

○藤村委員

ところが、先般この国会を通過し可決成立した、いわゆる行革推進法五十五条三項にこう書いてあります。「政府及び地方公共団体は、公立学校の教職員」、中略をいたしますが、「その他の職員の総数について、児童及び生徒の減少に見合う数を上回る数の純減をさせるため必要な措置を講ずるものとする。」
これは内閣不一致ではないか。これは内閣でもう既に成立した法律ですよね。片や、こういうことで法的に縛られる。一方で、こういう立派な法律を出して、今後はインクルーシブの思想のもとで特別支援学校をやっていこう、これには対象者をうんと広げた、だから人手もたくさん要るはずだと。実はきょうまで幾つも紹介されたように、この分野は児童が純減していなくて、ふえているんですよね、だからここはふえている分野ですからね。これをどう理屈を立てて扱っていくのか、この矛盾はないのか、お知らせ願いたいと思います。

○小坂国務大臣 

  御指摘の行政改革推進法の第五十五条第三項、これは確かに私どもにとって大きな課題として投げかけられたものでございますが、実際の運用に際して、私どもとしては、標準法対象の教職員の純減につきましては、児童生徒の減少に伴う自然減によって対応することといたしまして、これに加えて、給食調理員や用務員等の削減により教職員全体の削減を図って、自然減を上回る純減を確保する、このように対応することとしたわけでございます。

  したがいまして、先ほど御指摘の研修等々を考えますと、加配定数は児童生徒の減少と関係なく行ってきたところでございますので、この行政改革推進法によって純減という形にはならないこととなるわけでございまして、私としては、こういった全体の流れの中で、必要とされるもの、すなわち、今後とも、先ほど御指摘の長期研修や、あるいは特別支援教育や、あるいは食育を初めとした、そういった定数改善の必要な部分、また特別支援教育分野における児童生徒数の増加に対応するような配置について対応できるように努めてまいりたい。

  したがって、行革法の精神は精神として持ちつつも、現実的な対応をする中で、ぎりぎりのところで私どもとしての立場をしっかり守っていきたい、こういう形で対応したいと思っているところでございます。

○藤村委員 

  こっちが法律通っちゃったものですから、苦しい答弁にならざるを得ないわけですが、そんな中で、しかし、努力する、頑張る、そのお気持ちだけは酌んでおきたいと思います。

  残りの時間ですので、私は、教員養成について、さっき横山委員から免許の問題がございましたが、教員養成について、今回、特別支援学校の免状が三単位ふえる。これは相当きつきつなんですね、現状の四年制度の教員養成課程においては。必修が多分百二十ぐらいになっちゃうんじゃないでしょうか。ということは、選択の余地がほとんどなくなっている。

  私はかつて、本委員会で当時の文部大臣とも議論をいたしましたが、教員養成課程を、今、文科省は専修免許などで大学院に少しシフトも考えていらっしゃる部分はあるんですが、最近でいえば、たしか薬剤師、薬学部の六年制がもうスタートをしたのか、来年からかで、あるいは何年か前には獣医師、これも四年制から六年制になりました。犬猫の先生が六年制で、人間の先生が四年制かという、それは適切な比喩ではないですけれども、私は、実態としても、いよいよ四年制での教員養成というものが満杯になってきたのではないか。

  私は、六年制の教員養成をもう十年来、主張しております。特に、うち一年間は、青年海外協力隊のような、海外で一年ばあんと実習してくる。それから、残り一年のうちの相当部分は、やはり国内実習、それも学校だけでない部分というものも加えていくという構想をずっと温めているんですが、文科省の方として、あるいは小坂大臣の見解でも結構ですが、大学院修士にシフトしていく、それはそれで一つの方向だと思うんですが、この教員養成課程自体を四年制から五年制ないし六年制に延ばしていくというお考えはまだ出てこないのかどうか、現時点でのお考えをお伺いしたいと思います。

○小坂国務大臣 

  委員が御指摘の、教員養成課程において高度な専門的な知識、技能や指導力を確実に身につけさせるという観点から、学部段階での教員養成課程を六年制化したらどうだ、こういう御意見があることは私も承知はいたしております。

  しかしながら、昨年十二月の中教審中間報告では、大学院レベルにおいて高度な専門性を備えた力量のある教員を養成するための教員養成課程の改善モデルとして、今御指摘のありましたような、教員養成に目的を特化した専門職の大学院である教職大学院大学の制度の創設が提言もされております。

  こういった検討は引き続き進める中で、教員養成の六年化や修士レベルを原則とすることは、では、現状でどうなるかといいますと、現在の採用者に占める大学院修士課程修了者が大変少ない。小学校で六%、中学校一一%、高等学校でようやく二三%、四分の一、こういう現状であることも認識をせなけりゃなりません。養成期間の長期化が現実の教員採用に与える影響が大きいこと。そして、今日、開放制の教員養成の原則をとっておるわけでございますので、ともに四年制である教員養成系の大学、学部と一般大学の学部、それぞれの特色を発揮して多様な人材を教育界に送り出していただこう、この考え方で開放制をとっております現状からすると、今直ちに六年制に移行するというのは難しいことはもう委員も御存じでありますが、今後の検討課題として、研究をしていく必要がある課題と認識せざるを得ない。

  教職を魅力あるものとするために、給与等の処遇改善をするとか、また、教職大学院の成果等を踏まえて、質の高い教員の養成確保が現場にどのような影響を与えるか、こういったものをしっかり研究する中で対応してまいりたいと考えます。

○藤村委員 

  時間が参りました。終始丁寧な御答弁をいただきましたことに敬意を表して、終わります。ありがとうございました。


管理画面TOPへ