○松原委員
そうすると、宗教的教育、宗教的な情操教育というものに関しては、これは今回の教育基本法では否定をしている、こういうふうに考えた方がいいんですか。
○伊吹国務大臣
これは、先生のおっしゃっている情操という言葉の定義、意味合いだと思います。私が申し上げているのは、この情操という言葉の中に教義的な意味合いが含まれるおそれがあるので、あえてそこの危険を憲法上の制約から外したということです。
○松原委員
では、この宗教的情操について、藤村さん、お答えできますか。
○藤村議員
我々も、かつてずっといろいろ答えさせていただいておりますので、それらの答弁の中から今ちょっとピックアップしたいと思います。
宗教的な、一般的教養のみで果たして、まさに子供が、今の生死の問題とか抱えている問題が本当に解決できるのか。つまり、人間の力を超えたものに目を向けていくことで、生きとし生けるものの命の大切さ、あるいは自分自身に謙虚になることなど、そのことが他者に対して思いやりを持つことということで、宗教的情操という言葉で、うちは感性という言葉を使っておりますが、ここまで踏み込んでやはり教育の分野で教えるべきであるというのが我々の主張でございます。
情操と感性とどう違うかと言われると、言葉の違いで、ほぼ似ているんですが、感性の方がもうちょっと大きい概念ということで我々は使いました。もう一つ、情操というのが古めかしいということもありましたので、新しい感性という言葉を使いました。
○松原委員
やはりこの部分、踏み込むというのが私は大事だと思うんですね。特に今の殺伐とした事件が多発している状況の中では、私はこの部分というのは物すごい大事だろうと。
宗教教育と書いてあるけれども、そうなると、具体的に、宗教のどういう教育が行われるのか。それは例えば、今言った精神的な部分で、情操面において、子供たちの考え方、そこにやはり生命への慈しみとかを教える、そういった宗教教育なのか、単なる知識教育なのか、どういうふうな宗教教育をここでは規定しているのか、お伺いしたい。
(中略)
○前原委員
民主党の法案については私が民主党の提案者と議論しますので、大臣はそこまで御心配いただかなくて結構ですから、私の質問だけにお答えをいただきたいと思います。
つまりは、今お認めになったように、この中教審の答申だけでは指導力不足の教員というのは直らないのではないか、やはりプラスアルファの部分が必要じゃないかということをお認めになったわけです。その一つの事例として宣誓ということをおっしゃって、まあ、一つの例とおっしゃったんでしょうから、それは一つの考え方かもしれませんが、私が議論したいのはそこなんですよ。
つまりは、十年に一度の免許の更新、しかも、二年間で三十時間だけで今の指導力不足というものを解消できるとはとてもじゃないけれども思えない。だから、そこをどのように具体的に変えていくのかというところを、やはりこの教育基本法という基本法を議論すると同時に、先ほど私が申し上げたことについて大臣が呼応していただいて、人間の力にかかっているんだ、つまり、基本法を幾ら仮にいいものをつくったとしても、最終的にはそれを運用する人の力にかかっているんだということであれば、先生も含めて、その人をどのように教育をしていくかということが大事なポイントになってくるわけであります。
大臣として、この委員会での質疑を見ながらということでありますが、この中教審の答申以外にどういうものを付加していけば、この指導力不足の先生というものの数を減らせるのか、あるいは逆に言えば、千八百人に一人という過小評価、潜在的な指導力不足の先生を浮かび上がらせて、そして指導できると思われますか。
○伊吹国務大臣
これはいろいろなやり方があると思いますが、各教育委員会で、結構やる気を出させている教育委員会もあるんですね。これはやはり人によると申し上げましたけれども、教育長の指導力とか、あるいは地域の学校協議会の対応だとかによって随分違います、率直に言って。ですからこれは、文部科学省が持っております現行の法律上の立場からいえば、そういう成功事例をできるだけ多くの教育委員会に学んでもらうとか、あるいは、担当の主事や何かに上京していただいて、御一緒に学んで、それをまた学校へ持って帰ってもらってやっていただくとか、そういうことがございます。
しかし、これは後ほど議論になると思いますが、私も行政官をやっておりましたけれども、やはり最終的には、予算権と人事権、それから法令の執行権、これを持っているところが、まさに先生がおっしゃっている、やる気を出して、いい教師をつくっていくという意欲がないとできないんですね。
ですから私は、この法律がお認めをいただいた後、少し、その辺の教育行政のあり方についてまた国会で議論していただきたいなと思っております。
○前原委員
民主党の提案者に伺いますけれども、教員の質の向上のためにはどういった仕組みが必要だと考えておられるのか、教育基本法の中身を含めて提案者の方に簡潔にお答えいただきたいと思います。
○藤村議員
前原委員にお答えいたします。
まず私は、教員養成課程という、大学における教員養成の課程、これは相当重要な案件であると思います。
次に、今は、都道府県教育委員会が採用する教員採用試験、これは数倍から十数倍の倍率がある。すなわち、優秀な人が採れるにもかかわらず、教育委員会というややお役所的なところで採用するときにはどうしても点数で採ってしまって、いわば面接が非常におろそかになっていたりする。私は、もう十年来このことを主張し、今、民間の人事担当者がその採用試験に入ってくれるというふうな都道府県も出てきたようでありますが、そういうことも一つの改善要素であろうと思います。
そして次に、そこで本当はしっかりとした人材を確保しておれば余りその後の問題はないと思いますが、しかし、教員を研修するという意味では、今、初任者研修、五年研修、十年研修ですか、ずっとあるわけですけれども、この研修は非常に重要だと思います。
ですから、養成課程、採用、そしてその後の研修と、ここでしっかりとした先生になっていただくというのが一応の考え方であります。
先ほどの松原委員のお話でありましたように、教員が非常に崇高な理念を持って、全体の奉仕者という意味では、ちょっとほかの仕事とは違うという意味で、宣誓というのは一つの手かとは思います。何か、本当にそういう自覚を持ってもらうということも採用のときには必要かなと思っております。
(中略)
○森山委員長
休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。鳩山邦夫君。
○鳩山(邦)委員
私は、二十八年ぐらいかそれ以上か議員をさせていただいておりますけれども、この委員会の審議を聞いておりますと、非常に充実しているという感じ、単なるやり合いというのではなくて、大臣の答弁も見事ですし、民主党の方々の質問も、けさの質問など、藤村さんの質問も非常に教育行政について核心に触れた問題であったと思います。
あるいは、松原仁さん、昔から私も長いつき合いですけれども、非常にすぐれた質問内容であって、民主党の幅広さを示したのかもしれませんが。ここに牧理事がおられますけれども、彼も私の事務所に長くいた、かつての私の事務所のエースでありまして、私が議運の委員長のときに、解任決議案を出されたときに造反してくれるという殊勲甲ものでもありますが、彼や松原さんは、私たちとほとんど考え方は変わらないと思います。特に……(発言する者あり)前原さんもね。ちょっとそのとき聞いていなかったものですから。牧理事は、選挙区の近くに小牧基地があって、イラク問題で自衛隊が出発するときに、日の丸の旗は振らなかったようでありますが、見送りに行って、万歳と見送ってくれた。しかし民主党はイラク派遣には反対と、非常に幅の広い政党なんだろうと思います。
しかし、その幅の広さがこの委員会の質疑では非常に私はプラスに働いていると思いまして、大臣の答弁も、あるいは民主党の質疑も答弁も、非常によくこなして、こなれてきている。けさ、前原質問だけは私いませんでしたけれども、前後の二人の質問と答弁のありさまを聞いていますと、もう本当にこなれてきたなという思いがするんですね。
私も教育行政にタッチをしたことはあります。教育問題について全く暗いわけではありませんが、前回も質問いたしましたが、教育基本法で今回質問の時間を与えていただいて、山のように聞くことがあるなと最初は思った。思ったんですが、この委員会に出ていますと、私が聞きたいようなことはほとんど全部質疑のやりとりで出てきてしまって、あともう聞くことはほとんどないなというような状況にもなっていると思うんですね。
現に、前国会で四十九時間、あすで百時間を超えるということですし、参考人質疑四回、地方公聴会六カ所ということで、非常によくこなれてきているわけでございますから、委員長を初め、与野党理事の皆さん方も、そろそろこの委員会で結論を出されてもいいのではないかな、そんなふうに思っておりますが、民主党さん、いかがですか。
○藤村議員
私どもは、議員立法という民主党案の提案者でございますので、これは徹底して審議をいただくという立場でありますので、ころ合いがどうとか、そういうことについて我々が答えるべきではないかと存じます。
|