○小坂委員
これも言っておけばよかったんですが、総務大臣おいででございますので、先ほど中山大臣からもありましたけれども、栄養教諭については、私も食育基本法の代表提案者として、食育問題の推進のために、学校における栄養教諭の役割というのは非常に重要だと思っておりますので、定員等でぜひとも御配慮を賜りたいとお願いだけ申し上げておきたいと思います。
さて、今回の審議に当たりましては、民主党の提案者から提出されております。民主党に一件お聞きしたいことがあるわけでございますが、教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案、この法律案を見させていただきますと、教員免許に関しまして、現在教員の養成というのは、短期大学から大学院まで、それぞれの大学が、その特徴を生かした多様な教員を養成することを基本としているわけであります。一方、民主党案では、教諭の免許状を修士の学位を有する者にのみ授与することとしておるわけでございます。
現在、教育学系の修士課程の定員は、国、私立大学合わせても四千六百人程度しかございません。平成十八年の教員採用数は、公立学校だけでも二万二千人以上であるわけでございまして、特に幼稚園教諭につきましては、多くの学生が短期大学相当の二種免許状を取得して採用され、そして、幼稚園教諭の場合は約八割が短大卒でございますが、わずか数年の在職で退職しているのが実態になっております。
こういったことをかんがみますと、この御提案は一つの考え方としてはあり得る提案と思っておりますけれども、また、私は、民主党の提案者の皆さんはそれぞれに、私が教育問題についてまじめな議論をするに大変ふさわしい皆さんだ、ぜひとも議論をしたい、こう思っている皆さんでございますので、そういった皆さんの御提案として配慮したいとは思いますが、現実性からすると、余り現実的な提案とは見えないように思うわけでございますが、提案者の御所見を伺いたいと思います。
○藤村議員
小坂委員とは教育に関して大半の意見が多分一致しているところでございますが、小学校における英語教育は正反対の意見を持っております。
今御質問の件は、全部修士にして現実性があるのか、あるいは幼稚園も修士なのか、多分そういうお問い合わせだと思います。
現在、御承知のように人材確保法というのが動いておりますが、これは、約三十数年前にできた法律で、議員立法でありました。その当時、自民党の中でも慎重に検討されたのが、人材確保法と、もう一つ、教員は修士にするということをその三十数年前から実は考えられた経緯がございます。私どもの大先輩から伺いました。そういう意味では、やはり教員が本当に子供たちの一生を左右するぐらいの大きな影響力を与える人材であるからには、高いレベルの能力を持っていただきたい、資質を持っていただきたい、これはもう共通したところだと思います。
今、人数を挙げておっしゃったので、私も人数で申しますと、今回の政府提出の法案の中で、更新制度が十年ごとに、これは毎年やることになりますが、約十万人の方を三十時間程度、認定した各大学等にまさに修了認定してもらう。そういう意味では、最初は、これは本当に現実的にできるのかなと思いました。ただ、いろいろ聞いている中で、だんだんに現実化してきたわけです。
そのときに気がついたのは、あれは、毎年、三十時間程度やるんですが、土日とか夏休みですよね。でも、そのための体制というものは、何といっても、場合によっては教員の免許を取り上げるわけですから、非常に慎重に、十分な体制が必要。となれば、その体制を利用したら、ひとつこれは十分にできるのではないか。今、全国、各都道府県単位でおおむね教員養成学部がございます。そこに大学院を設けるという形をとり、かつ、私どもの修士の課程は、一年間はそれぞれの学校に全部張りついて実習しますから、大学にはおりません。そういう意味で、現実的に可能だと思います。
もう一つ、先ほどの最初の方の話で、小坂委員の本当に持論だと思いますが、インターネットあるいはパソコンなど、IT、通信技術が飛躍的に発達しているわけです。テレビ放送もデジタル化が進められております。これからの時代は、大学院に全員が通学し学ぶという従来の形態ではなくて、通信教育あるいはオンデマンド授業等の活用により、全国どこにいても最先端の研究成果を学ぶことができ、最新の知識を得ることが可能な時代になっているのだと考えます。
例えば学習障害、発達障害など、近年認知度が高まったものであり、研究は年々深まり、進んではおりますが、全国的に専門家、研究者がどこにでもいらっしゃるという状況ではない。そのことを考え合わせれば、通信、オンデマンド授業の活用による学びは個々の学習者のニーズにこたえる就学形態であろうと考えております。具体的には、例えば文科省の特別な学校法人である放送大学、これも活用するのが一つ考えられるのではないか。
また、幼稚園教諭についてのお尋ねでございますが、実は、このところ、幼児教育が非常に大切だということはもう皆さんおっしゃいます。今、小一プロブレムといいまして、小学校一年生で授業が成り立たなくなったりしている。こういうことからも、やはりこれは、小一プロブレムのことも考えまして、幼児の心理発達等に関する豊富な知識を有した上で小学校での教育のことも理解している教員が専門的で豊富な知見を持って幼児教育に当たってこそ、子供たちはすんなりと小学校のスタート地点に立てることになるのではないでしょうか。
ですから、幼稚園が短大でいつまでもいいということをまずお考えではないと思います。やはり幼児教育ほどより高いレベルの教員を充てるべきだ。我々は、幼と小学校が同じ初等免許でございます。そういう意図を持って、現実に可能な案と考えております。
○小坂委員
藤村提案者のお答えの中で、私も、障害者の学習支援としてICTの活用は大いにすべきだと思っております。しかしながら、今おっしゃった形で教員養成をするというのは、その枠組みをつくるのにやはり今すぐにはできないという点において、二年でできるかどうか、それはなかなか難しい問題でありますが、実現性においては、これ以上の批判は慎みますが、よくお考えをいただかなきゃなかなか難しいなという印象を持っていることだけは重ねて申し上げたいと思います。
さて、残り時間が数分でございますので、最後に総理に、今回の教員免許更新制につきまして一言お伺いしたいと思っております。
この更新制は決して不適格教員排除のために導入するのではなくて、むしろ教員の質を向上させるための前向きな制度だというふうに私はとらえるべきだと考えております。その時代その時代に必要とされる新たな知識をそこでもう一度確認をし、そして、教員としての心構えをもう一度初心に返って持っていただくということが一つの効果として期待をされるところであります。その中にはICTの活用能力、そういったものも含まれるかもしれません。
こういったことについて、まずもって、更新制の本来の意義というものについての総理の御認識を伺いたいと存じます。
(中略)
○西委員
ありがとうございます。
時間も迫ってまいりました。民主党の方に一問お願いをしたいと思います。
昨年の特別委員会における民主党提出案の日本国教育基本法をベースにした、ある意味では基本的な理念、きちっと筋の通った考え方に基づいてでき上がった大変立派な対案だというふうに私は思っております。
その上で、専門免許状の取得要件についてお伺いをしたいと思います。
八年以上の実務経験を経た上で専門免許状というのが付与されるというふうなことになっておりますが、その八年ということの意味が一つです。
それから、首長は専門職大学院に行く機会を与えるよう努めるというふうになっておりますけれども、現実にはなかなか、財政面の制約、家庭の事情、地理的条件、さまざまな理由が予想されているというふうに思います。だれもが受けられる可能性があるとはいえ、意欲があってもなかなか機会に恵まれないということもあって不平等ということが心配されるんですが、この点についての提案者のお考えをお聞きしたいと思います。
○藤村議員
西委員には、基本法を初めとすることに関して御評価をいただいたことに感謝を申し上げます。
まず、八年の実務経験、このことでありますが、御案内のとおり、今公立学校の先生の場合は初任者研修等ありまして、これは法定されていますが、その後三年研修、五年研修とくる。このあたりでそれなりにいわば実務を経験してきているので、八年というのは、現場での問題認識も持ち、教職大学院において学び直しをすることにより教職大学院での研さんの実が上がる、その辺の年数かなというのが一つ。
もう一つは、私どもも一般免許状について十年ごとの講習と修了認定、この制度を設けておりますが、八年の経験を積んだ後に九年目かあるいは十年目に次のステップ、専門免許状を取得していただく一年間をちょうど設定できるときになる。そうなりますと、十年の講習も必要なくなるわけです。専門免許になりますと十年ごとの講習が必要ありませんので、そういうことからも八年というような一つの考え方を持ちました。
もう一つ、家庭、財政、立地など、一般や専門免許を取るための教職大学院へ行くのに不平等はないか、こういうことであります。
まず、一般免許と専門免許の両方に共通する立地ということで、これは先ほど政府委員もちょっと答えていましたが、僻地やいろいろな地域でも、いろいろな考え方を御披露されました。あるいは先ほどもちょっと申しました、IT社会でございますので、まさにそのITを十分に活用したオンデマンドの研修あるいは通信教育、そして先ほども申しましたが、放送大学というものも一つ活用の対象になるのではないかなどということで、これは発達障害とか学習障害など近年認知度が高まったものが、研究は進んではいるものの非常に研究者も少ないわけですから、そういう大事なものはこういう通信できちっとやれるということもあろうと思います。ですから、居住する地域によっての不平等というのは、これらIT社会の発展によって相当解消されると考えております。
また、専門免許の取得希望者に関して大学院進学のサポート、これは西先生とも過去一生懸命やってきた奨学金の制度、法科大学院も奨学金制度を設けていますし、これはやはり本当にきちっとした奨学金制度というものが非常に必要になってくると思います。
それとともにまた、私ども別途提出の学校教育環境整備法において、教職員の配置について目標水準と達成の目標年次を定め、教員の数の拡充を計画的に行うこととしております。また、対象者が順次大学院に行くことができるよう教員の任命権者が計画的に人事を行うことが必要であり、先ほどおっしゃった法律の第五条で任命権者は専門免許の授与を受けることができる機会を与えるよう努めなければならないとしているのはそのような内容でございます。
それらのことで、我々は、不平等が生じない、そして家庭にも影響を与えないようにできるだけ専門免許を多く取っていただきたいということをぜひこれは政策としても誘導したい、このように考えております。
○西委員
お考えはよくわかるんですが、なかなか、これだけの大きなシステムを導入するということにすぐに行くのかなというのが若干心配な面でございます。平等で、本当に力のある人が専門職の立場を得るという仕組みをつくっていく、これは大事なことですが、そういうことと地理的なものとの関連性とか、思うように一年間という期間をそれに割けるかどうかというのは、かなり難しい問題ではないかな。理想的には私も賛成でございます。そういうことは前提の上でございますが、そういう感じがいたします。
きょうは初回で、時間が参りましたので、これで終わらせていただきますが、これからもまた熱心な議論をさせていただきたいと思います。
以上で終わります。
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